水中の状況を3Dで共有し、保全や点検の判断へ──富士通の海洋デジタルツイン
富士通は、2026年10月13日から16日まで幕張メッセで開催される「CEATEC 2026」で、海や河川の観測データを活用する「海洋デジタルツイン」を紹介する。水中の状況をデジタル空間に再現し、海洋インフラの維持管理や環境保全に役立てる取り組みだ。
展示が行われる「海洋デジタル社会パビリオン」では、観測データと、そこから生成する3D空間を同時に表示する。来場者が、水中の情報をデータ化していく過程を確認できる構成となっている。
同社の海洋デジタルツインは、水中ドローンによる計測や画像処理、AIによる分析などを組み合わせ、水中の生物や構造物の状態を把握する技術だ。海洋環境を可視化し、対策の立案から効果の検証につなげることを目指している。
想定する用途には、藻場などの環境保全に加え、港湾や洋上風力発電施設といった海洋インフラの調査がある。構造物の形状や劣化の状況をデータとして把握し、維持管理の検討を支援する。
🌏空間情報で現場を理解する取り組みが、いよいよ水中にも🌏
ドローンや衛星などで地上の状況を捉え、判断に生かす空間データの活用。その領域が、水中にも広がっている。今回の海洋デジタルツインは、直接確認することが難しい水中の現場をデータ化し、保全や維持管理に役立てようとする取り組みだ。
水中の状況を3D空間として再現できれば、現地に潜る人に加え、離れた場所にいる担当者や専門家も、周囲との位置関係を踏まえて現場を理解する手掛かりを得られる。さらに、過去の観測結果や点検記録を同じ場所に結びつけることで、変化の把握や対応の検討にもつなげられる。
空間情報にさまざまな記録や知見を重ね、状況の理解と判断に生かす。危険を伴う場所や、すぐに行くことが難しい場所ほど、現場をデータとして共有できる価値は大きい。
水中のデータ化が進むことで、GEOINTを生かせる現場も広がっていく。海洋デジタルツインは、その可能性を具体的に示す取り組みといえる。
出典・参考:
富士通「CEATEC 2026」出展案内
富士通「海洋デジタルツイン」
INTERNET Watch:水中空間のデータ化と海洋産業のDXに関するインタビュー(2026年10月6日)
