株式会社SYMMETRYは2026年10月15日、大分県杵築市の「市道橋梁点検(4巡目)業務」で、同社のデータ利活用プラットフォーム「橋のコンシェルジュ」が採用されたと発表した。業務を受注した親会社の日本ピーエスと連携し、橋梁の点検結果や3次元点群データの一元管理を進める。

今回の業務では、近接目視による定期点検と健全性の診断に加え、3次元点群データを取得。点検調書や損傷写真、図面などの関連資料を橋梁単位で紐づけ、今後の点検・補修履歴を蓄積していく。過去の記録を探しやすくするとともに、担当者が変わっても情報を引き継げる環境を整える。

「橋のコンシェルジュ」は、Webブラウザ上で3D CADや点群、GIS、IoTセンサーなどのデータを統合・活用できるサービス。生成AIによる検索や、GISを用いた地理空間情報の可視化にも対応する。また、国の全国道路施設点検データベースの登録用APIと連携し、点検結果の転記作業の省力化も見込む。今回の発表は採用と取り組みの内容を示したもので、導入効果の定量的な検証結果は公表されていない。

🌏現場の形状と点検の履歴を、次の担当者へ🌏

本事例で注目したいのは、橋の形状を表す3Dデータと、点検で得られた記録を結びつけ、継続して蓄積する点だ。

損傷写真や点検調書は、それぞれ単独でも重要な情報である。それらを対象となる橋や現場の形状と合わせて参照できれば、「どのような橋で、何が確認されてきたのか」を理解する手掛かりが増える。次の点検で確認すべき箇所を考えたり、補修の検討に必要な情報を関係者で共有したりする土台にもなる。

さらに、記録を残す価値は、現在の担当者の業務だけにとどまらない。担当者が異動しても、過去の点検や補修の経緯をたどれることは、長期にわたってインフラを管理するうえで大きな意味を持つ。現場の経験を、組織として引き継いでいくための仕組みといえる。

空間情報に記録や知識を結びつけ、状況の理解と判断に生かす。これはまさに、SkymatiXが考えるGEOINTの本質だ。3Dデータが現場の形を伝え、点検記録がその現場の変化や経緯を伝える。両者を継続して蓄積し、次の点検や補修の判断にどう役立てていくかに注目したい。

出典:株式会社SYMMETRY「『橋のコンシェルジュ』が大分県杵築市の橋梁定期点検業務で採用」(2026年10月15日)