こんな課題ありませんか
- DXを推進したいが、他社がどこから着手しているのか見えない
- IT化とDXの違いが曖昧で、ツール導入で終わってしまう
- 協力会社を巻き込んだ現場定着まで持っていけない
ゼネコン各社の事例・推進ステップ・現場の本音・人材動向を整理し、工数削減が数字で見えやすい測量・出来高管理から着手する進め方がわかります。

ゼネコン各社の事例・推進ステップ・現場の本音・人材動向を整理し、工数削減が数字で見えやすい測量・出来高管理から着手する進め方がわかります。
「DXを推進したいが、他社はどこから着手しているのか」
そんな悩みを抱えているDX担当者は多いです。
この記事では、ゼネコン各社のDX事例や現場での成果、推進上のリアルな課題を具体的に紹介します。業界特有の構造を理解した上で、自社の戦略を練るヒントにしてください。
ゼネコンは「General Contractor(ゼネラルコントラクター)」の略で、日本語では「総合建設業者」にあたります。
建設工事を一式で請け負う元請け企業のことを指し、超高層ビルや橋梁、ダム、トンネルといった大規模工事を建築・土木を問わず手がけます。
仕事の中心は、工事全体の総合的な管理・監督です。設計部門が図面を引き、施工管理部門が工程・品質・安全を管理しながら、専門技術を持つ下請け業者に各工事を発注するのが基本的な流れです。
建設業法では、「ゼネコン」という直接の用語定義はないものの、複数の協力業者を束ねて工事全体に責任を持つ「元請負人」、あるいは一定規模以上の契約を結ぶ「特定建設業者」としての役割と義務が定義されており、ゼネコンはその頂点に位置します。
よく混同されるハウスメーカーとは、対象の規模と受注方式が異なります。
ハウスメーカーは主に住宅を対象とし、規格化された商品をカタログから選ぶ形で販売します。対してゼネコンは、発注者の要望に応じて設計・施工を一から行う注文生産型の業態です。同じ建設業でも、ビジネスモデルはまったく異なります。
国土交通省の資料によると、建設現場ではゼネコンのもとに1次・2次・それ以下の協力業者が連なる「重層下請構造」が根付いています。

この構造が、現場間の情報分断やデジタル化の遅れを招き、DX推進を難しくしている一因にもなっています。
建設業界は今まさに、人手不足と法規制の強化という二重の圧力に直面しています。この状況を乗り越えるための現実的な手段として、DXへの注目が急速に高まっています。
建設業の就業者数は令和6年平均で477万人。ピーク時の平成9年と比べると、約30%も減少しました。
在籍する就業者の高齢化が進む一方で、若年層の入職者はなかなか増えません。

10年後・20年後を見据えたとき、今の現場体制をそのまま維持するのはむずかしいと感じている担当者も多いはずです。
追い打ちをかけるように、2024年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制(720時間)が適用されました。長時間労働で厳しい工期をマンパワーで乗り越えてきた現場では、同じやり方はもう通用しません。
出典:建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制|厚生労働省
さらに、国土交通省は2023年度(令和5年度)から直轄工事において、BIM/CIMの活用を原則義務化しました。これに伴い国交省は「i-Construction 2.0」を策定し、ICT活用による生産性向上を官民一体でさらに推し進めています。
ゼネコンがDXに取り組む意義は、単なる業務効率化にとどまりません。人材が減り、働ける時間も限られるなかでも発注者である行政や民間企業からの選定基準を満たし、企業として持続できるかどうか、経営上の問いとして捉える必要があります。
DXとIT化はよく混同されますが、目指すゴールが根本的に異なります。
経済産業省はDXを「データとデジタル技術を活用して、製品・サービス・ビジネスモデルを変革するとともに、業務・組織・プロセス・企業文化まで変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。
IT化が「業務の効率化」を目的にツールを導入する取り組みであるのに対し、DXは「どう稼ぐか・どう組織を動かすか」というビジネスモデルの変革や組織プロセスの抜本的な変革まで視野に入れる点が違います。
出典:産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)|経済産業省
ゼネコンの文脈で言えば、タブレットで図面を確認したり、Excelで工程を管理したりするのはIT化です。
一方、設計段階のBIM/CIMデータや測量データを施工・検査・維持管理まで一気通貫でつなぎ、発注者との承認プロセスや検査立会の仕組みそのものを変えることがDXにあたります。ツールの導入で終わらず、「誰が・何を・どう判断するか」という業務設計ごと変えるかどうかが分岐点です。
スーパーゼネコン各社はDXを経営戦略の中核に据え、BIM活用から自律施工まで本格的な取り組みを進めています。
3つの事例から、自社に転用できるヒントを確認してみましょう。
国内大手ゼネコンの一社は、設計部門が作成したBIMモデルをそのまま施工・竣工管理へと引き継ぐ全社標準を整備しました。
従来は設計図と施工図が別々に管理されていたため、仕様の食い違いや手戻りが慢性的に発生していました。BIMによってモデルを一元管理することで、着工前の干渉チェックが可能になり、現場での設計変更件数や無駄な廃材の発生を大幅に削減しています。
この取り組みが示すのは、ツールの導入だけでなく「誰がいつ何を更新するか」というデータ管理のルール化がDXの肝だという点です。
BIM単体ではなく、業務フローごと変えたことで効果が出ています。
スーパーゼネコンの一社は、ダム工事などの大規模土工現場でGPS(GNSS位置情報)と各種センサーを組み合わせた自律施工システムを実用化しました。
複数台のブルドーザーやダンプトラックを無人で協調運転させ、急傾斜地や夜間、さらには災害復旧の危険区域など有人作業が困難な条件下でも24時間体制で安全かつノンストップで施工を継続できます。
熟練オペレーターの技術をデータ化してシステムに組み込んでいるため、人員が限られる現場でも一定品質の施工が維持できる点が評価されています。
自律施工の初期導入コストは高いものの、夜間・休日の稼働分を含めた全体工期の短縮や、作業員の接触労働災害をゼロにするリスク低減効果までを含めたトータルで見ると、コスト回収の試算が成り立つ現場は少なくありません。
複数の大手ゼネコンが取り組む事例として定着しつつあるのが、ドローン測量とICT施工の組み合わせです。
従来は数日かかっていた広大な現場の出来形測量を、ドローンによる空撮と数時間の点群処理によって劇的に短縮しています。
取得した高精度な3D地形データを、そのまま3Dマシンコントロール対応の重機へ連携します。重機側がデータを認識しバケットや排土板を自動制御するため、現場の目安となる丁張り(ちょうはり)設置などのアナログ作業が不要になるため、施工精度の向上と省人化、安全性向上を同時に実現できます。

国土交通省もi-Constructionの優良事例としてこうした取り組みを公表しており、公共工事での実績データが蓄積されています。
自社でDX投資の予算を確保する際、経営層への説明材料(費用対効果の証明)として、省庁の公表資料を活用するのも有効な手段です。
現場DXを動かすには、
という順序で進めるのが現実的です。各ステップで押さえるべきポイントをまとめます。
現場担当者に話を聞くと「とにかく毎日の書類作成が忙しい」「何となく非効率」という不満の声は多くても、具体的にどこに手をつければ効果が出るかは意外と整理されていないものです。
まずは測量・データ管理・書類作成・安全管理・進捗確認など工程ごとに業務フローをリストアップし、「誰が・何に・どれくらい時間をかけているか」を記録するところから始めましょう。
洗い出した課題は、改善効果の大きさと実行しやすさの2軸で整理します。そのうえで最初に取り組む領域を1〜2つに絞ることで、推進チームの力が分散せずに済みます。
取り組む領域が決まったら、全面展開の前に特定の現場でPoC(概念実証)を実施します。対象は1〜2現場に限定し、期間は1〜3か月程度が目安です。国土交通省が推進するi-Construction 2.0でも、一足飛びの完全自動化ではなく、段階的なデジタル化プロセスが推奨されており、現場単位での検証を積み重ねるアプローチが定着しつつあります。
出典:i-Construction 2.0 ~建設現場のオートメーション化~|国土交通省
PoCで確認すべきは、「本当に工数が減ったか」だけではありません。現場担当者の操作負担、協力会社との情報共有のしやすさ、既存システムとの接続性も同時にチェックします。
たとえばドローン測量を試験導入した場合、「従来のトータルステーション等による測量工数と比較して何%削減できたか」のような測量工数の削減率を数値で記録しておくと、経営層への説明材料としてそのまま使えます。
PoCで有効性が確認できたら全社展開に移ります。このとき多くの現場がつまずくのが、協力会社への展開です。
元請け社内だけで使い方が固まっていても、一次・二次の協力会社が使いこなせなければ現場全体の効率は上がりません。
定着させるコツは2つ。
1つ目はツールの操作研修を協力会社も含めて実施し、現場全体の連帯感を醸成することです。
2つ目は「使わなくてよい場面」も明示したシンプルな運用ルールを作ることです。細かすぎるルールはかえって現場の負担になり、結果的に入力放置を招きやすくなります。毎日の入場通知や現場写真のアップロード、進捗報告といった既存のルーティンワークの中に、意識せずともDXツールが組み込まれるような環境を整えることが、長期的な定着につながります。
DX推進の設計には、管理層だけでなく現場で手を動かす作業員の視点を反映させることが重要です。SNS上の投稿を整理すると、現場の声はおおよそ次の3パターンに分かれます。
現場作業員が入力負担だけを一方的に負わされ、自分の日常業務が楽になる実感を持てなければ、ツールは定着しません。
推進側は「管理のためのDX」ではなく、「現場が少しだけ楽になる仕組み」として設計し、そのメリットを丁重に説明し続けることが、協力会社を含む定着につながります。
IPAの調査では、DX推進人材が不足していると回答した企業の割合が85.1%に上り、業種を問わず深刻な不足感が広がっています。
建設業は他産業との休日数・賃金格差や3Kイメージから、もともと有効求人倍率が高い業種です。そこにBIM/CIMの原則義務化やドローン測量などのICTスキルを持つ人材の需要が重なり、採用競争はさらに激しくなっています。
未経験者を採用して社内育成するケースも増えていますが、一人前になるまでには相応の時間がかかります。
そのため、外部の専門家やDXベンダーを戦略的に活用しながらプロジェクトを動かす企業が増えています。なかでも、現場測量をドローンでまるごとアウトソーシングするサービスは、ICT専任の自社人員を持たない現場でも即座にDXを前進させられる現実的な手段として注目を集めています。
自社で無理に100%内製化しようとせず、「くみき」のような工数を最大95%削減できる外部サービスと既存人員を組み合わせることで、限られた人員のままでも生産性を引き上げることが可能です。
人材採用と外部活用を組み合わせることが、現実的なDX推進の姿と言えます。
人手不足・高齢化・働き方改革と、ゼネコンを取り巻く課題は山積しています。
この記事で見てきたように、全社DXと現場DXを組み合わせながら、まず工数削減効果が見えやすい現場の測量・管理業務から着手するのが、推進の現実解のひとつです。
そこで今、多くのゼネコン現場から熱い注目を集めているのが、空間データ統合プラットフォーム「くみき」です。
「くみき」は単なる測量ソフトにとどまらず、ドローン画像からスマホ・360°カメラの写真、CAD図面まで、現場のあらゆる空間データを一つの地図上に集約・一元管理します。
「作る・活用する・共有する」を一つのプラットフォームで完結できるため、ツール乱立による煩雑さを解消し、現場業務を根本からスマートにします。
特に、ドローンと「くみき」を組み合わせることで、従来の現場調査・測量工数を最大95%削減。算出に時間がかかっていた盛土・切土の土量計測はわずか数秒で完了し、レポートもワンクリックで自動生成されます。ハイスペックな専用PCや専門的なCAD知識は不要で、現場の誰もがブラウザ上で直感的に扱える点が大きな強みです。
「くみき」が目指すのは、単に「便利になる」だけのDXではなく、無駄な外注費や移動時間・書類作成コストを徹底的に削り、原価超過を防いで「利益が出続ける会社をつくるDX(利益体質DX)」です。
実際に、月10万円〜の導入で月200万〜400万円規模のコスト削減効果を生み出しており、測量・データ作成に特化したプランから一元管理のフルプランまで、現場の段階に応じた選べる料金体系も揃っています。
「どこから手をつければいいかわからない」というゼネコンの課題に対し、全員が毎日行い、コスト削減と「楽になった」という成果が最も早く数値で見える測量・出来高管理領域から始めること。
それこそが、DX定着と企業体質の強化に向けた最も確実な一歩になります。