こんな課題ありませんか
- 人手不足の実態を、国交省・厚労省のデータで裏付けて説明したい
- 採用強化だけでは追いつかず、現場が回らなくなりつつある
- 省人化に取り組みたいが、どの業務から手を付ければ効果が出るかわからない
人手不足の現状・原因・影響・対策・今後の見通しをデータとともに整理し、測量や現場調査を空間データで省人化する現実的な一手がわかります。

人手不足の現状・原因・影響・対策・今後の見通しをデータとともに整理し、測量や現場調査を空間データで省人化する現実的な一手がわかります。
建設現場で「人が足りない」という声を聞かない日はないくらい、建設業の人手不足は深刻さを増しています。
この記事では国土交通省や厚生労働省のデータをもとに、建設業界の人手不足の現状と原因を整理したうえで、企業が取り組める解決策や今後の見通しまで解説していきます。
建設業の人手不足は「なんとなく大変そう」というレベルではありません。
国交省や厚労省の統計を見ると、就業者の減少と高齢化が同時進行している状況がはっきり数字として現れています。

国土交通省の資料によると、建設業就業者数はピーク時の平成9年(1997年)ごろから減少を続けており、近年は400万人台後半で推移しています。
特に注目したいのは年齢構成の変化です。

直近の動向として、令和4年のデータを前年の令和3年と比較すると、55歳以上の就業者は1万人増加した一方で、29歳以下は2万人減少しました。
つまり、単純な人数減少だけでなく「若手が入らず高齢層に依存する構造」が年々強まっているわけです。
また、求人の面からも状況は厳しくなっています。
厚生労働省が公表する建設業の有効求人倍率は、他産業と比べて高い水準で推移し続けています。
全産業の有効求人倍率が1倍台前半で落ち着く中、建設業に関わる職種は求人が求職者数を大きく上回る状態が続いており、企業側が人を採りたくても採れない構図が浮き上がっています。
2020年から2022年にかけてはコロナ禍で一時的に建設投資が伸び悩んだ時期もありましたが、それでも求人倍率が大きく下がることはなく、慢性的な人手不足は根深いです。
建設業の人手不足は、単に働き手が減っているという単純な話ではありません。
高齢化や労働環境、需要の増加、世間からのイメージなど、いくつもの要因が絡み合って今の状況を作っています。
ここでは、なぜこうした事態に陥っているのか、構造的な背景を掘り込んでみましょう。

建設業の年齢構成を見ると、60歳以上の割合が25.7%にのぼっています。
一方で29歳以下の若手層は薄く、これから10年、20年のあいだにベテラン職人が大量に引退していく見通しです。
また、職種によって不足感には差があります。
とくに型枠工や鉄筋工、とび職といった技能系の職種は、若手の入職が減っているうえに技術の継承にも時間がかかるため深刻です。
現場をまとめる施工管理者も同様で、資格取得のハードルの高さも相まって、なり手が育ちにくい状況が続いています。
賃金は他産業と比べて改善傾向にあるものの、体力的な負担や資格取得までの期間の長さを考えると、若い世代にとって魅力的な選択肢として映りにくいのも実情です。

結果として、経験豊富な世代が抜けた穴を若手が埋められず、現場ごとの人手不足がじわじわと広がっています。
建設業には、昔から「きつい・汚い・危険」という、いわゆる3Kのイメージがつきまとっています。
実際には安全対策やICT機器の導入が進み、現場の環境は以前とは変わってきていますが、そのイメージだけが先に立ってしまい、就職先として検討されにくいという課題があります。
現場の実態が変わってきていることが、なかなか外部に伝わっていないのです。
この認識のギャップを埋めるには、企業側が現場のリアルな姿を発信し続ける努力が必要になってきます。
SNSや採用サイトで安全対策や働き方の工夫を具体的に見せる企業も増えていますが、業界全体としてはまだ足りていないというのが正直なところでしょう。
SNS上でも、建設業の人手不足について率直な声が多く投稿されています。現場の切実さや、業界の構造そのものに対する疑問など、さまざまな角度からの意見が並んでいます。
募集をかけても人が集まらない現実の厳しさや、職人や協力会社を長期的に確保することが経営資産になるという指摘もありました。
また、「人手不足は待遇の悪さが原因であり、自業自得だ」といった厳しい意見も見られます。
https://twitter.com/CVQAN1ng1XGJtpC/status/2075091295161516279
https://twitter.com/hara_akira39/status/2075034347086942669
https://x.com/NaSi1324540/status/2075201824941072399
インフラの老朽化対策や災害復旧、都市部の再開発など、建設需要そのものは根強く存在しています。
国交省がまとめる建設投資見通しでも、投資額は一定の規模を維持しており、仕事量が急激に減るような状況ではありません。
問題は、その需要を支える建設労働者や作業員の数が、需要の伸びに見合うペースで増えていないことです。
前章で触れたとおり、就業者数はピーク時から大きく減少しており、供給側の縮小と需要側の底堅さという、ねじれた構図が生まれています。
仕事はあるのに人が足りない、という状態が各地の現場で常態化しているわけです。
このギャップは、地域によってさらに顕著に表れます。都市部への人材集中が進む一方、地方では技能者の高齢化と人口減少が同時に進んでおり、地域の建設会社ほど深刻な人手不足に直面しているケースが目立ちます。
建設業の年間総実労働時間は、他産業と比べて長い状態が続いています。
出勤日数や労働時間はいまだ他産業を上回っており、休日の少なさも指摘されてきました。
出典:建設業・ドライバー・医師の働き方改革総合サイト はたらきかたススメ|厚生労働省

2024年からは建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、業界全体で働き方の見直しが進んでいます。
ただし、工期に追われる現場では、人手が足りないぶんを既存のメンバーの残業でカバーせざるを得ない場面もまだ多く、規制と現実のあいだにギャップが残っているのも事実です。
休日を確保しにくい環境は、新たな人材を呼び込むうえでも足かせになります。
週休2日制の導入が進む企業とそうでない企業の差が、採用力にそのまま影響しているケースも見られます。
あわせて読みたい:建設業でも2024年に労働時間の上限規制適用!2024年まで
前章で見た高齢化や3Kイメージといった原因を放置すると、現場と経営の両面に具体的な影響が出てきます。
ここでは、倒産リスクから技術継承の断絶、品質・安全性の低下まで、人手不足が引き起こす連鎖的な問題を見ていきます。
現場に十分な人員を確保できないと、当然ながら工事のスケジュールが後ろ倒しになります。工期が延びれば発注者からの信頼が落ちるだけでなく、追加コストが発生して利益を圧迫します。
さらに深刻なのは、受注できる工事の数そのものを絞らざるを得なくなる点です。人手が足りないから仕事を選ぶ、あるいは断るという状況が続けば、売上の天井が低いまま固定されてしまいます。
実際に、人手不足を理由とした倒産は増加傾向です。
帝国データバンクの調査によると、2025年の人手不足倒産は過去最多の427件にのぼり、3年連続で過去最多を更新しました。業種別では建設業が目立って多く、2025年度の調査では建設業が112件と全体の26.2%を占めています。同調査では、規模の小さな会社ほど影響を受けやすい構図がうかがえます。
出典:人手不足倒産の動向調査(2025年)|帝国データバンク、人手不足倒産の動向調査(2025年度)|帝国データバンク
工事の人手不足は、単に「忙しい」という話では済みません。
受注制限が続けば固定費を回収できず、資金繰りが悪化して倒産に至る中小企業も少なくないのです。
建設現場の技能は、マニュアルだけでは伝わりにくいものです。
熟練の職人が長年の経験で培った勘やコツは、隣で作業を見て、指導を受けながら少しずつ身につけていくものだからです。
ところが若手の入職者が減り、建築技術者不足が進むと、この継承の機会そのものが失われてしまいます。国土交通省の資料でも、これまで様々な担い手対策が講じられてきたものの、担い手不足への懸念は依然として根強いと指摘されています。
建築業界の職人不足が進行すると、ベテランが引退したタイミングで技能がそのまま失われるケースも出てきます。
特定の工法や難易度の高い施工が「できる人がいない」状態になれば、受けられる仕事の範囲自体が狭まってしまいます。
これは単年度の売上の問題ではなく、会社の技術的な競争力を長期的に削っていく問題です。
人員が足りない状態で工期を守ろうとすると、一人あたりの作業負担が増え、確認作業やチェック工程が簡略化されがちです。
結果として、施工不良や検査漏れといった品質トラブルが起こりやすくなります。
安全面でも同様で、慣れない作業を無理な人員配置でこなそうとすれば、労災のリスクが高まります。
さらに厄介なのは、こうした過重な業務環境が離職につながる悪循環です。
人手不足だから一人当たりの負荷が増え、負荷が増えるから離職者が出て、離職者が出るからさらに人手不足が深刻化する。この連鎖を断ち切るには、現場の業務そのものを効率化し、限られた人員でも無理なく回せる体制をつくる視点が欠かせません。
例えばドローンによる測量や分析ツールを導入すれば、現場調査の工数を大幅に削減でき、少人数でも品質を保った施工管理が可能になるでしょう。
建設業の人手不足は、採用を強化するだけでは解消しません。
すでに働いている人を離さない工夫と、人手そのものを減らす省人化。これらを組み合わせてはじめて、現場は持続可能になります。
ここでは理想論ではなく、実際に取り組める対策を事例とともに紹介します。
建設業はこれまで経験者採用が中心でしたが、担い手そのものが減っている以上、未経験者を戦力化する必要があります。
入社後に一定期間の研修を設け、安全教育や基礎知識を身につけさせたうえで段階的に現場配置を進めれば、未経験からでも数年で一人の職人として自立できます。
女性や第二新卒、異業種からの転職者に向けた採用広報を工夫し、力仕事中心という古いイメージを変えていく取り組みも人材確保の方法として有効です。
実際に、入職後の教育プログラムを整備して短期離職を防ぐ企業が増えています。
国土交通省が推進する建設キャリアアップシステム(CCUS)も、経験や資格を業界全体で可視化する仕組みで、未経験から始めた人にも成長の道筋が見えるようになっています。
採用してもすぐに辞められては意味がありません。休日数を見直して週休2日制に近づける、残業時間を減らす、給与・手当を業界水準に合わせて改善するといった対応が、離職防止の土台になります。
2024年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、労働時間の適切な管理が義務化されました。
加えて、資格取得の費用補助や、経験・技能を給与に反映する評価制度の整備も同時に進めると、長時間労働と低待遇という業界のイメージそのものを変えていけます。
採用と定着だけでは、需要に対して人手が追いつかない現場も出てきます。
そこで求められるのが、測量や墨出し、資材管理などの作業をICTで効率化し、少人数でも工事を進められる体制をつくることです。
国土交通省もi-Constructionを通じて、ICT活用による建設現場の生産性向上を推進しています。
建設DXツール「くみき」を導入した現場では、ドローンで空撮したデータをもとに、クラウド上で盛土や切土の計測が数秒で完了するようになり、現場調査や測量にかかる工数を大幅に削減できたという声が寄せられています。
レポート作成もワンクリックで済むため、少人数でも工事の進行管理を担えるようになった事例が報告されています。
人手不足は今後どうなるのか。ここまで読んで、そう気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、数年で状況が大きく好転する見通しは薄いと考えておくべきでしょう。
国土交通省の建設労働需給調査でも、多くの職種で不足傾向が続いており、需給ギャップが急に解消する兆しは見られません。
2024年からは長時間労働に頼った現場運営はさらに難しくなっています。
また、国や業界団体も担い手確保に向けた動きを強めています。
若者や女性の入職促進、処遇改善、働き方改革、生産性向上を一体で進める協議会も設立されました。
出典:建設業における担い手確保に向けた取組について|国土交通省
とはいえ、こうした取り組みが成果を出すまでには時間がかかります。
人口構造そのものが変わらない限り、業界全体の担い手を急激に増やすことは現実的に難しいでしょう。
一方で、AIやロボットの進化により、体を動かす仕事そのものへの評価が見直され始めているのも事実です。
ただ、これも即効性のある解決策ではありません。
つまり、業界全体の抜本的な改善を待つよりも、各社が自社の現場で省人化を進めるほうが現実的というわけです。
測量や現場調査といった工数のかかる業務をICTで効率化できれば、少ない人数でも今の品質を維持できます。

ここまで見てきたとおり、人手不足を業界全体の力だけで解消するのは難しい状況です。
そこで注目したいのが、衛星画像や航空写真、地形データといった空間データの活用です。
空間データと聞くと、測量士や設計担当者だけが扱う専門的な情報だと感じる方も多いはずですが、実際には現場の誰もが日々ぶつかっている「時間がかかる作業」を減らすための道具だと考えると、ぐっとイメージしやすくなります。
たとえば造成工事の現場。土地の高さや形状を測るために、これまで測量士が現地に何度も足を運び、ポールを立てて数値を読み取る作業を繰り返してきました。広い現場だと数人がかりで丸1日かかることも珍しくありません。
ここにドローンを飛ばして上空から撮影した画像や、レーザーで地表面をスキャンした点群データを使うと、現場を歩き回らなくても地形全体の高さや土量を短時間で把握できます。
数人がかりだった作業を、ドローン1台による空撮と、数時間のクラウド解析、そして数秒の計算処理へと置き換えられるのです。
続いて、広範囲の土地を扱う土木工事や造成工事では、衛星画像を使った定点観測も役立ちます。工事の進み具合や土砂の堆積状況を、現地に行かなくても画面上で継続的に確認できるからです。
遠方の現場を複数抱える会社であれば、担当者が現地に張り付かなくても状況を把握できるようになり、移動時間そのものを削れます。
国土交通省もこうした空間データの活用を後押ししています。現場で撮影したデータをそのまま設計や維持管理の情報として使い回せるようになれば、同じ作業を何度も繰り返す無駄も減っていきます。
また、クラウド上で簡単に3D現場データを共有できれば、発注者、元請会社、協力会社、さらには地域住民を含めた多くのステークホルダーとの合意形成スピードを大きく上げることができます。
これまで平面図(2D)でのすり合わせや書類修正のために生じていた膨大な手戻り・やり直しを回避できます。
つまり空間データの価値は、専門知識を持つ一部の人だけが恩恵を受けるものではありません。
測量や進捗確認にかかる時間と人数を減らし、限られた人員でも現場を回せる状態をつくる。これが人手不足に悩む建設現場にとって、空間データが持つ本質的な役割だといえます。
人手不足の解消には「省人化」と「生産性向上」の両立が求められます。
その具体的な一手として、空間データ統合プラットフォーム「くみき」の導入を検討してみてください。
「くみき」は、ドローンで撮影した映像から高精度な3D地形データや点群データを自動生成し、測量・調査業務にかかる工数を削減できるクラウド型サービスです。
専門知識は不要。PC1台で視覚的に操作できるため、高度な専門技術を持つ測量士の負担を大きく減らしつつ、現場にいる既存のスタッフとシームレスに連携して現場管理を回せるようになります。さらに、現場の進捗レポートはワンクリックで自動生成可能。書類作成に追われていた時間を施工管理や人材育成に回せます。
また、ICTやドローン、3Dデータといった新しい技術を日常の業務に取り入れることは、単なる効率化にとどまりません。
これまでの「きつい・大変」といった現場のイメージを変え、デジタル技術を活用してスマートに働ける、若い世代にとっても魅力的な現場づくりにつながります。
新しい技術に触れながら働ける環境は、社員のモチベーション向上や人材の採用・定着という面でも、企業の新たな魅力になっていくはずです。
人が足りない現場ほど、こうしたICT活用の効果は大きく表れます。
業界全体の慢性的な人手不足は簡単には解決しません。だからこそ、自社の現場から一歩ずつ省人化と働き方のアップデートを進め、「人が少なくても回る現場」だけでなく、「人が働きたいと思える現場」へ変えていくことが求められています。
「くみき」が、その一助になれば幸いです。