【2026年版】ドローン測量・点群処理ソフト5選を比較|i-Construction対応と現場活用の選び方
「ドローンで撮影した写真を、もっと手軽に測量データに変換したい」
「生成した点群やオルソ画像を、測量だけでなく日々の施工管理にも活用したい」
建設現場でドローンの導入が進む一方で、撮影後のデータ処理や、取得したデータの管理・共有に課題を感じるケースもあります。
ドローン測量に使用するソフトウェアには、写真から高精度な3次元データを生成するもの、点群データの詳細な編集や出来形管理を行うもの、取得したデータをクラウド上で共有し、現場管理に活用するものなど、さまざまな種類があります。
また、国土交通省が推進する「i-Construction 2.0」では、施工だけでなくデータ連携や施工管理の自動化も重視されています。
これからのドローン測量では、3次元データを生成できるかだけでなく、取得したデータをどのように業務へ活用できるかも重要な選定ポイントとなります。
本記事では、国内外の主要なドローン測量・点群処理ソフト5製品を比較し、それぞれの特徴や用途、選び方を解説します。
ドローン測量・点群処理ソフト5選
今回紹介するのは、次の5製品です。
- くみき(KUMIKI):ドローン測量データの自動生成から計測・解析・現場管理・共有まで対応するクラウド型プラットフォーム
- Terra Mapper:クラウド版とデスクトップ版を提供し、写真測量や土量計算、データ解析に対応するソフトウェア
- PIX4Dmapper:写真測量の高度な処理設定や精度管理、多様な成果物の生成に対応するSfMソフトウェア
- DroneDeploy:ドローンによるデータ取得から解析、時系列比較、建設現場の記録・共有まで対応するプラットフォーム
- TREND-POINT:大容量点群の編集・解析、土量計算、出来形管理などに強みを持つ3D点群処理ソフトウェア
これらの製品は、それぞれ得意とする業務が異なります。すべてを同じ基準で評価するのではなく、自社で必要な機能や運用方法に合わせて比較することが重要です。
ドローン測量ソフトを選ぶ際の5つのポイント
1. 写真から3次元データを生成できるか
ドローンで撮影した写真を測量に活用するには、SfM(Structure from Motion)などの写真測量技術を用いて、オルソ画像や3次元点群、DSM(数値表層モデル)などを生成する必要があります。
製品によって、クラウド上で自動処理するものと、PCにインストールして詳細な設定を行うものがあります。
データ処理の手軽さを重視するのか、解析条件を細かく調整したいのかによって適した製品が異なります。
2. 国土交通省の出来形管理要領に対応できるか
公共工事での活用を想定する場合は、国土交通省が定める出来形管理要領や、必要な測量精度、成果物の形式を確認することが重要です。
精度管理表の出力、座標補正、点群の品質確認、出来形管理帳票の作成など、対応できる範囲は製品によって異なります。
i-Constructionへの対応は、特定の帳票を出力できることだけで判断せず、対象工種や適用要領、実際の運用工程まで含めて確認しましょう。
3. 生成したデータを現場管理にも活用できるか
ドローン測量で生成したデータは、測量以外の業務でも活用できます。
例えば、オルソ画像を使った施工状況の把握、過去データとの比較、盛土・切土量の確認、施工図面との照合などです。
さらに、現場写真や動画、作業指示などを同じ環境で管理できれば、進捗管理や関係者間の情報共有にも役立ちます。
測量成果を作成することが主な目的なのか、その後の施工管理まで活用したいのかを明確にしておきましょう。
4. 外部ソフトウェアと連携できるか
建設現場では、点群処理ソフトや測量CAD、BIM/CIM関連ツールなど、複数のソフトウェアを利用することがあります。
そのため、点群データのLAS・LAZ形式、オルソ画像のGeoTIFF形式、図面関連のDXF形式など、必要なデータを入出力できるかが重要です。
また、ファイルを出力して別のソフトウェアに取り込む方法と、APIなどを使って自動的にデータを連携する方法では、運用の手間が異なります。
5. 継続して利用しやすい運用環境か
ドローン測量は、一度の測量だけでなく、工事期間中に繰り返し利用するケースもあります。
導入時には、必要なPCの性能、クラウド利用の可否、データ管理の方法、操作のしやすさ、サポート体制などを確認しましょう。
特定の担当者しか操作できない環境ではなく、複数の関係者が必要なデータを確認・活用できる仕組みを整えることも大切です。
ドローン測量・点群処理ソフト5製品の特徴
1. くみき(KUMIKI)|ドローン測量から現場管理まで、空間データを一元活用
くみきは、株式会社スカイマティクスが提供する国産のクラウド型空間データ統合プラットフォームです。
ドローンで撮影した写真をアップロードすることで、オルソ画像や3次元点群、DSMなどの地形データを自動生成できます。
高性能なPCを用意する必要がなく、複雑な解析設定も最小限に抑えられるため、ドローン測量の導入・運用にかかる負担を軽減できます。
また、くみきの特長は、生成したデータを測量だけで終わらせず、現場の状況把握や進捗管理、情報共有にも活用できることです。
オルソ画像や点群データを使った計測、複数時期の比較、図面の重ね合わせに加え、写真・動画・360°画像などの現場情報を地図上で一元管理できます。
主な機能
- 地形データの自動生成:ドローンで撮影した画像からオルソ画像・点群・DSM・3Dテクスチャなどを生成
- 計測・解析:距離・面積・高さ・体積・断面などをブラウザ上で計測
- 時系列比較:複数時期のデータを比較し、地形や土量の変化を把握
- 図面の重ね合わせ:現況データに2D図面を重ね、施工計画との位置関係を確認
- 現場管理:写真・動画・360°画像、コメント、タグなどを地図上で管理
- レポート出力:SfM処理の品質や位置補正に関するレポート、所定形式の精度管理表を出力
- 外部データ連携:点群・オルソ画像などの入出力や、TREND-POINTとの連携に対応
こんな現場におすすめ
ドローン測量のデータ処理を効率化したい現場に加え、生成したデータを施工状況の確認や情報共有など、日々の現場管理にも幅広く活用したい企業に適しています。
導入時の確認ポイント
クラウド型のため、大量の撮影画像をアップロードする際にはインターネット環境が必要です。また、公共工事の出来形管理に利用する場合は、対象工種や必要な精度、成果物の要件を確認する必要があります。
2. Terra Mapper|クラウドとデスクトップで写真測量に対応
Terra Mapperは、Terra Drone株式会社が提供するドローン測量データの処理・解析サービスです。
クラウド版とデスクトップ版があり、現場の業務内容や通信環境に応じた利用を検討できます。
ドローンで撮影した写真から3次元データを生成し、距離や断面、土量などの計測・解析に活用できます。
主な機能
- ドローン写真を利用したSfM処理
- オルソ画像・3次元データの生成
- GCPを利用した位置精度の管理
- 距離・断面・土量の計測
- クラウド版によるデータ共有やコメント
- デスクトップ版による詳細な解析とオフライン処理
こんな現場におすすめ
ドローン測量を中心に、地形データの生成や土量計算を行いたい現場に適しています。また、PC上での解析作業を必要とする場合も選択肢となります。
導入時の確認ポイント
クラウド版とデスクトップ版で利用できる機能や契約条件が異なるため、用途に合わせた確認が必要です。
3. PIX4Dmapper|解析条件の調整と精度管理に強みを持つSfMソフト
PIX4Dmapperは、スイスのPix4D社が開発する写真測量向けソフトウェアです。
ドローンやカメラで取得した画像から、3次元点群、DSM、オルソ画像などを生成できます。
解析条件を細かく設定でき、GCPを用いた位置補正や品質レポートによる確認など、写真測量の処理工程を詳細に管理できる点が特長です。
主な機能
- 写真測量による点群・オルソ画像・DSMなどの生成
- GCPを利用した位置補正
- 解析条件の詳細設定と品質確認
- 点群の分類や3Dモデル生成
- 距離・面積・体積の計測
- LAS・LAZ・GeoTIFF・DXFなどの形式によるデータ出力
こんな現場におすすめ
写真測量の解析条件や精度管理を細かく調整したい測量会社、専門技術者などに適しています。
導入時の確認ポイント
デスクトップでの処理が基本となるため、解析するデータ量に応じたPC環境が必要です。日常的な現場管理やチーム共有を重視する場合は、関連クラウド製品との組み合わせも検討対象となります。
4. DroneDeploy|現場全体の記録・比較・共有に対応
DroneDeployは、米国のDroneDeploy社が提供する、ドローンによるデータ取得や解析、建設現場の状況管理に対応したプラットフォームです。
飛行計画や撮影データの処理に加え、オルソ画像や3Dモデルを利用した現場の確認、過去データとの比較、関係者との共有などに対応しています。
また、360°カメラなどで取得した地上の現場データを活用する機能も展開しています。
主な機能
- 対応機体を使った飛行計画・データ取得
- クラウド上でのオルソ画像・3次元データ生成
- 過去と現在の現場データの比較
- 土量計測や設計データとの比較
- CAD・BIMデータとの重ね合わせ
- 写真・360°データによる現場記録
- プロジェクトメンバー間の情報共有
こんな現場におすすめ
複数現場を管理する建設会社や、ドローン撮影から現場の記録、関係者への共有までを一元的に進めたい企業に適しています。
導入時の確認ポイント
国内公共工事での利用を想定する場合は、日本の出来形管理要領や必要な帳票への対応状況を確認する必要があります。また、日本語サポートやデータ保管条件なども、導入前に確認しておくと安心です。
5. TREND-POINT|大容量点群の編集・出来形管理に強み
TREND-POINTは、福井コンピュータ株式会社が提供する3D点群処理システムです。
ドローン測量やレーザースキャナーなどで取得した点群データを取り込み、編集・解析・計測することに強みがあります。
写真から点群を生成するSfMソフトウェアとは役割が異なり、生成済みの点群データを使った高度な解析や、出来形管理などに活用する製品です。
主な機能
- 大容量点群データの読み込み・表示
- 点群のフィルタリング、編集、合成
- 距離・面積・体積などの計測
- 断面図や等高線の生成
- 土量計算や差分解析
- 国土交通省の要領に対応した出来形管理(対象機能・オプションによる)
- 測量CADや外部システムとのデータ連携
こんな現場におすすめ
点群データの詳細な編集や出来形管理、公共工事の成果物作成などを行いたい企業に適しています。
くみきとの併用も可能
TREND-POINTは、くみきと組み合わせて活用することもできます。
例えば、ドローンで撮影した写真をくみきで処理して点群データを生成し、そのデータをTREND-POINTで詳細に編集・解析するといった運用です。
さらに、くみきはTREND-POINTとの連携機能も提供しています。
両製品は単純な代替関係ではなく、データ生成や日常的な現場管理と、専門的な点群処理・成果作成を組み合わせる選択肢として考えられます。
5製品の機能比較表
今回紹介した製品の特徴を、データ生成・活用・連携の観点から整理しました。
製品 | 主な処理環境 | SfM処理 | 主な強み |
|---|---|---|---|
くみき | クラウド | 対応 | データ生成・計測・現場管理・共有 |
Terra Mapper | クラウド/PC | 対応 | 写真測量・土量解析 |
PIX4Dmapper | PC中心 | 対応 | 詳細な写真測量・精度管理 |
DroneDeploy | クラウド | 対応 | 現場記録・時系列比較・共有 |
TREND-POINT | PC | 対象外 | 点群編集・出来形管理 |
※製品によって提供範囲や利用プラン、オプションが異なります。機能の詳細は各公式サイトをご確認ください。
i-Construction 2.0で重要になる「測量データの活用」
国土交通省が2024年4月に策定した「i-Construction 2.0」では、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割進め、生産性を1.5倍に向上させる目標が示されています。
その実現に向けて掲げられているのが、次の3つの柱です。
- 施工のオートメーション化
- データ連携のオートメーション化
- 施工管理のオートメーション化
この方向性を踏まえると、ドローン測量においても、3次元データを作成するだけでなく、取得したデータをほかのシステムや日々の施工管理業務に活用していくことが重要になります。
例えば、従来は起工測量や土量計算のために利用していたドローンデータを、施工中の進捗確認や図面との比較、現場状況の共有に活用することが考えられます。
「データを作る」ことから「データを使う」ことへ。
ドローン測量ソフトを選ぶ際にも、こうした継続的な活用を見据えた検討が重要になっています。
ドローン測量から現場管理まで活用したいなら「くみき」
ドローン測量を効率化するためには、写真から点群やオルソ画像を生成する処理を簡単にすることが重要です。
しかし、建設現場では、その後のデータ活用にも多くの業務が存在します。
例えば、施工状況を確認するために過去のデータを探したり、現況を施工図面と照合したり、現場の写真を整理して関係者へ共有したりする作業です。
くみきは、こうした業務を一つのプラットフォームで行えることが特長です。
データを作る
ドローンで撮影した写真をアップロードするだけで、オルソ画像や3次元点群、DSMなどのデータを自動生成。
データを測る・比べる
生成したデータをブラウザ上で確認し、距離・面積・体積などを計測。異なる時期の現場データを比較し、施工状況や土量の変化を把握できます。
現場の情報をまとめる
オルソ画像や点群だけでなく、現場写真・動画・360°画像・図面などを地図上で管理。現場のどこで、どのような作業や変化があったのかを確認しやすくなります。
関係者と共有・連携する
クラウド上で現場データを共有できるほか、点群やオルソ画像を外部ソフトウェアで利用できる形式で出力できます。
TREND-POINTなど、既存の点群処理ソフトウェアと組み合わせた活用にも対応しています。
このように、くみきはドローン測量の効率化だけでなく、取得した空間データを現場全体で活用するための基盤として利用できます。
まとめ|ドローン測量ソフトは、導入目的に合わせて選ぼう
ドローン測量・点群処理ソフトには、それぞれ異なる特徴があります。
写真測量の解析精度や設定の自由度を重視する場合、点群データの詳細な編集や出来形管理を重視する場合、現場のデータ管理・共有まで効率化したい場合など、目的によって適した製品は異なります。
また、1つの製品だけですべての作業を完結させる必要はありません。既存の点群処理ソフトとクラウド型プラットフォームを組み合わせることで、従来の測量業務を活かしながら、現場管理の効率化を進めることもできます。
大切なのは、ドローンで取得したデータを、どのような業務に活用したいのかを明確にすることです。
株式会社スカイマティクスの「くみき」は、ドローン測量によるデータ生成から計測・比較・現場管理・共有・連携までを一元化し、空間データの継続的な活用を支援します。
ドローン測量の導入や、取得したデータの活用に課題を感じている方は、ぜひサービスの詳細をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. ドローン測量ソフトと点群処理ソフトの違いは何ですか?
ドローン測量ソフトには、撮影した写真から点群やオルソ画像を生成するSfMソフトウェアなどがあります。
一方、点群処理ソフトは、取得済みの点群データを編集・解析・計測することが主な用途です。
製品によって機能が重なる部分もあるため、必要な作業工程を確認して選ぶことが重要です。
Q. クラウド型とデスクトップ型はどちらがよいですか?
クラウド型は、高性能PCを用意する負担を抑え、データ共有や複数拠点での利用を進めやすいことがメリットです。
一方、デスクトップ型は、処理設定の自由度やオフラインでの作業を重視する場合に適しています。
通信環境やデータ量、用途に応じて選択しましょう。
Q. i-Constructionに対応したソフトを選ぶには何を確認すべきですか?
国土交通省の適用要領、必要な測量精度、精度管理表や出来形管理帳票の出力機能などを確認する必要があります。
求められる成果物は工種や業務によって異なるため、製品の対応範囲を事前に確認しましょう。
Q. ドローンで生成した点群データをほかのソフトでも利用できますか?
LAS・LAZなどの標準形式で出力できるソフトであれば、対応する外部ソフトウェアで利用できます。
ただし、座標系やデータ形式、インポート可能なデータ量などは確認が必要です。
くみきでは、点群やオルソ画像などを外部ソフトウェアで活用できる形式で出力できます。
Q. くみきとTREND-POINTを組み合わせて使うことはできますか?
はい。くみきでドローン写真から点群データを生成し、TREND-POINTで詳細な点群処理や出来形管理を行うといった運用が可能です。くみきはTREND-POINTとの連携にも対応しています。
Q. 測量の専門知識がなくてもドローン測量ソフトを使えますか?
クラウド型サービスを利用することで、データ処理や閲覧・計測などの操作負担を軽減できます。ただし、測量成果として利用する場合には、飛行計画や位置精度、品質管理などに関する知識が必要です。目的に応じて、専門技術者と現場担当者の役割を分けることも有効です。
