QPS研究所は2026年11月3日、小型SAR衛星QPS-SAR20号機「ワダツミ-Ⅱ」の打ち上げと初交信に成功したと発表した。
同衛星は、日本時間の同日午前1時41分、ニュージーランドからロケット・ラボ社のElectronロケットで打ち上げられた。打ち上げから約50分後に衛星分離、その約30分後に初交信に成功し、各機器が正常に作動していることを確認した。

"The Sea God Surveys / 海の神が見渡す" ミッションのElectronロケット ©︎Rocket Lab
SARは、電波を使って地表を観測する技術。雲や噴煙の影響を受けにくく、昼夜を問わず観測できる特徴がある。同社は複数の小型SAR衛星による観測網の構築を進め、将来的に平均10分間隔で観測データを提供するサービスを目指している。
今回の打ち上げ・初交信の成功は、その観測網の整備に向けた進展となる。ただし、将来目標と、現在提供できる観測頻度は区別する必要がある。
🌏判断に必要な情報を、より短い間隔で得るために🌏
本事例で注目したいのは、衛星網の拡充が、地表の変化を継続して捉えるための基盤になる点だ。
ある場所の状況を判断するとき、画像の細かさに加えて、「いつ観測した情報なのか」が重要になる。以前の状態と新しい観測結果を比べることで、変化があった場所や、追加確認が必要な場所を考えられる。
観測の機会が増えれば、変化を追うための材料も得やすくなる。ただし、取得したデータを判断に生かすには、解析や配信、現地情報との照合も必要だ。
衛星からの観測を、現場で使える情報へとつなげる。観測網の充実と、その情報を活用する仕組みの両方が、日本でGEOINTを広げていく土台になる。
