航空写真測量の基礎知識。原理から工程、ドローンを使うメリットや使い道を解説

航空写真測量の基礎知識。原理から工程、ドローンを使うメリットや使い道を解説
目次(10項目)
  1. 1航空写真測量(空中写真測量)とは?
  2. 2航空写真測量の今と昔
  3. 3航空写真測量の精度を左右する仕組み
  4. 4航空写真測量における作業工程と成果物
  5. 5行政で利用される航空写真測量の活用法
  6. 6航空写真測量に対応する会社の選び方
  7. 7ドローンを活用した航空写真測量について
  8. 8航空写真をもとにしたオルソ画像の作成方法
  9. 9スカイマティクスが提案する「Autel Explorer」
  10. 10「くみき」なら、ドローンで撮影した空中写真を自動でオルソ化が可能
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航空写真測量は、昔から存在している測量技術の一つです。

地図の作成や災害の状況、土地利用の変化などに用いられており、これからも利用され続ける測量技術でしょう。

航空写真測量には、セスナ型の飛行機と撮影用のカメラや機材が必要です。ただ、近年ではドローンの登場によって、ドローンによる空中写真測量が普及しています。

この記事では、航空写真測量の原理やメリット、使い道、これからのドローンによる航空写真測量について、詳しく解説していきます。

航空写真測量(空中写真測量)とは?

航空写真測量とは、上空から撮影した写真を解析して地形や構造物の位置・形状を計測する測量手法です。

「航空写真測量」と「空中写真測量」は同じ手法を指す言葉で、国土地理院の公式文書では「空中写真測量」という表記が使われています。

英語では、aerial photogrammetry(エアリアル・フォトグラメトリ)と呼ぶのが一般的です。

航空写真測量の原理

写真測量の根幹にあるのは「視差(parallax)」の活用です。

人間が両目で物体を見ると奥行きを感じられるのと同じ仕組みで、異なる撮影地点から同じ物を写した複数枚の写真を重ね合わせると、対象物が画面上でずれて見えます。

このずれが視差です。

視差の大きさは撮影地点からの距離に反比例(近いものほどズレが大きく、遠いものほどズレが小さくなる)するので、視差を計算することで対象物の三次元座標(X・Y・Z)を求めることができます。

航空写真測量では飛行ルートに沿って前後60〜80%程度の重複率(オーバーラップ)で連続撮影し、隣り合う写真の視差から地形全体の立体形状を算出します。

航空写真測量の原理

国土地理院の公的基準と実務マニュアル

公共測量を受注・発注する際に必ず参照が求められるのが、国土地理院が定める「作業規程の準則」です。

測量法第34条に基づく規準で、測量方法・精度・成果品の規格を一元的に定めています。改訂のたびに最新技術が反映されており、UAVを使った測量に関する規定もここに含まれています。

出典:作業規程の準則について|国土地理院

現場担当者が参照する主なマニュアルは、以下の2つ。

  • 数値図化マニュアル
  • デジタル空中写真測量公共測量作業マニュアル

国土地理院のウェブサイトからPDF形式で入手でき、撮影計画から成果品の作成まで各作業段階の手順が詳しく書かれています。

出典:マニュアル・要領等のダウンロード|国土地理院

航空写真測量と航空レーザ測量の違い

航空写真測量がカメラで撮影した「光の情報」を解析するのに対し、航空レーザ測量は機体から地表へレーザパルスを照射し、反射までの時間から距離を計測します。

取得するデータの種類がそもそも異なります。

最大の違いは、植生への対応力です。

航空写真測量は樹木や草木に覆われた地面を直接計測するのが難しいのに対し、レーザは樹木の隙間を通過して地面に届くため、森林地帯でも地表面データを取得できます。

一方、航空写真測量はオルソ画像を同時に作成できるため、視覚的な確認が必要な業務や地形が比較的開けた現場で広く使われています。

出典:航空レーザを利用した高精度な地表面データの取得|国土交通省

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航空写真測量の今と昔

かつては有人の飛行機でしか撮れなかった空の写真が、ドローンの普及によって身近な手段になりました。

ただし、飛行機が完全に役目を終えたわけではありません。

それぞれの特性と使いどころを押さえておきましょう。

ドローンの登場で飛行機は不要になるのか?

ドローン(UAV)を使った空中写真測量は、国土地理院が「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」を整備したことで、公共測量としても正式に認められるようになりました。

ちなみに、UAVとは「Unmanned Aerial Vehicle」の略で、ドローンを含む無人飛行機のことです。

出典:公共測量|国土地理院

とはいえ、ドローンで飛行機を完全に置き換えられるかというと、現状はそうではありません。

飛行できる高度・航続距離・悪天候への耐性という点で、有人機には依然として大きな優位性があります。

さらに、航空法上の飛行禁止区域などにおいて、ドローンの運用に厳しい制限がかかっています。

出典:無人航空機(UAV)を用いた測量作業における安全確保について|国土地理院

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飛行機による航空写真測量が必要なシーン

飛行機で撮影する空中写真のメリットは、圧倒的な撮影高度にあります。

ドローンは航空法で150m以上の空を飛行することが原則として禁止されており、地上から150m以上の空域を飛行させる場合は国土交通大臣等の許可が必要です。

撮影高度が高くなるということは、一度に撮影できる範囲が広くなるということ。また、一日で撮影可能な範囲にも大きな差がでてきます。

例えば、富士山の山頂が写る空中写真を撮る場合、3,776m以上の高度が必要なので、約4,000mの撮影高度が必要となります。

このように、高高度の撮影が必要な場合は、飛行機での空中写真撮影が必要となります。

航空写真測量の精度を左右する仕組み

写真から正確な地形を再現できるのか、疑問に感じる方も多いはずです。

精度を支えているのは「標定点の適切な設置」と「撮影時の重複度管理」の2点です。

標定点の役割

標定点の役割

測量における「精度」とは、算出した座標値が実際の地上座標とどれだけ一致しているかを指します。

航空写真測量では、写真上の点が地上のどこに対応するかを計算で特定しますが、その基準になるのが標定点(対空標識)です。

地上に設置したシート状の目印をGNSS測量などであらかじめ正確に計測しておき、写真上の位置と実座標を結びつけることで、写真全体の座標系が確定します。

「UAVを用いた公共測量マニュアル(案)」では、標定点は撮影区域の周辺部と内部に均等に配置することが求められています。

配置が偏ったり数が少なすぎたりすると、特に周辺部の精度が大きく低下するため、配置計画は精度管理の基本です。

出典:UAVを用いた公共測量マニュアル(案)|国土地理院

オーバーラップ(重複度)の役割

航空写真測量は、同じ地点を異なる角度から撮影した複数の写真の「視差(見え方のずれ)」から高さを算出する仕組みです。

この立体視を成立させるのが、飛行コース方向の重複(オーバーラップ)と横方向の重複(サイドラップ)の管理です。

基本的にオーバーラップは60%、サイドラップは30%必要とされています。

つまり、飛行機が進む方向では、撮影する各写真が60%重なるようにシャッターを切ること、隣り合うコースでは各写真が30%重なるように、シャッターを切る必要があるということです。

オーバーラップは進行方向で60%写真が重なるよう撮影する

出典:国土地理院の取り組む教育支援の説明会等

画像のように撮影する写真の範囲が、飛行機の進行方向に60%重なるように撮影することを、オーバーラップと呼んでいます。この重なりのおかげで、地上をより立体的に見ることができます。

サイドラップは隣り合うコースで横方向に30%重なるよう撮影する

出典:国土地理院の取り組む教育支援の説明会等

画像のように、撮影コースはある一定の距離でUターンを繰り返しながら撮影します。

Uターンして先のコースで撮影した写真範囲が、横方向に30%重なるように撮影することを、サイドラップと呼びます。

航空写真測量における作業工程と成果物

撮影前の計画から成果物の生成まで、実際の作業がどう流れ、最終的に何が得られるのかを順にみていきましょう。

撮影計画から数値図化までの手順

公共測量での標準的な作業フローは、次の5段階で進みます。

  1. 飛行計画の策定
  2. 標定点の設置
  3. 現地撮影
  4. 空中三角測量
  5. 数値図化

取得できる成果物の種類

数値図化処理を経て生成される主な成果物は3種類です。用途に応じて使い分けます。

成果物

内容

主な用途

オルソ画像

撮影写真の歪みを補正し、真上から見た正射影像に変換したもの

現況確認・変化検出・背景図

三次元点群データ

地表面を膨大な座標点の集合体で表現したデジタルデータ

地形解析・土量計算・設計支援

数値地形図

地形・地物の位置と形状を座標データおよび属性データで表現したもの

都市計画・インフラ管理・各種申請

出典:3D都市モデル整備のための測量マニュアル|国土交通省

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行政で利用される航空写真測量の活用法

航空写真測量の成果は地図作成にとどまらず、道路管理や固定資産税の課税業務など、行政のさまざまな場面で活用されています。

地図の作成や道路管理に利用している

日本には国土交通省が所管する「国土地理院」があり、測量に関しての全てを管理しています。全国の1/2,500の地形図を作成していて、最近では「地理院地図(電子国土WEB)」で、地図を無料公開して印刷までもできるようになっています。

国土地理院が広域向けに作成する地図は、1/2,500と「小縮尺」であり 、自治体が個々の敷地やインフラ管理に利用するには、より精密な情報が求められます。

自治体の実務で必要とされるのは、1/500や1/1,000といった「大縮尺」の地図です。地図は縮尺の分母が、小さくなればなるほど精密になってきます。

我がまちの正確で詳細な地図を作成するには、1/500または1/1,000の縮尺が必要となります。

これらの縮尺の地図を作る工程を、カンタンに説明しておきましょう。

  1. 飛行機(またはドローン)による空中写真撮影
  2. 空中三角測量による各写真の位置決定(標定) 
  3. オルソ画像作成
  4. 写真を基に図化(デジタル化)
  5. 地図記号などの編集
  6. デジタルマップの完成

概ねこの手順で地図の作成が行われています。

道路を管理する道路台帳に活用

先の手順で作成された地図データは、道路を管理する道路台帳や、カーブミラーやガードレール、白線などの道路付属物の管理に活用されます。

1/500の航空写真では、道路に設置されているカーブミラーまでもしっかり視認でき、ガードレールも見てとれます。

また、側溝の蓋がコンクリートオープンなのか、グレーチング(格子状の鉄蓋)なのか、あるいは開渠(蓋なし)かまでも判別できます。 この特性を利用して、道路を管理します。先ず路線ごとに分類して、その路線内で区間ごとに分類。区間は、道路の幅員が変わるところで分けていきます。

そうすることで、道路を補修する際のアスファルトやコンクリートの必要な量や工事にかかる費用など、さまざまな道路の管理に使われます。

カーブミラーやガードレールなどの道路付属物も、路線で管理できるので取替のスケジュールや費用の算出に役立っています。

航空写真が税の公平性を担保?

みなさんは固定資産税と呼ばれる税金をご存じでしょうか。

役所では、税務課、資産税課などと呼ばれる課が、固定資産税を担当していますが、税金を決める際の大原則は「公平課税」です。

例えば、同じ土地の広さの建売住宅を購入したAさんとBさんの固定資産税の金額は一緒でなければなりません。

新築・増築の際には建築確認申請や登記の届出が必要ですが、稀に届出を行わずにDIYなどで部屋を増築してしまうケースがあります。 

日本の固定資産税は「現況課税(登記の有無に関わらず、実態に基づいて課税する)」が原則であるため、未届けの建物であっても本来はすべて課税対象となります。

しかし、役所がその存在自体を把握できなければ、一時的に課税が漏れてしまい、他の納税者との間で不公平が生じてしまいます。 

その対策として、自治体では定期で「客体異動判読」を行っています。

具体的には土地の利用状況が前年または数年前と変わっている箇所を、最新の航空写真と比較して判別します。

例えば、以前の土地では畑だったのが、最新の航空写真では住宅になっているなどの変化を確実に抽出します。

家屋についても、以前の家屋と形状が異なる、屋根の色が全く違う、小屋らしき建物が増えているなど、最新の航空写真と比較して違う家屋を抽出します。

この作業を行うことで、先に例として挙げた勝手に増築した建物や、内緒で建てた住宅も見つけられます。

このように、不公平税制を解消する方法としても、航空写真が活用されているのです。

航空写真測量に対応する会社の選び方

依頼先を絞り込む際は、「とりあえず実績が多そうな会社」ではなく、自社案件の規模や目的に合った評価軸で比較することが大切です。

まず確認したいのが、測量業者としての登録の有無です。

測量法により、測量業を営む場合は個人・法人を問わず国土交通省への登録が義務づけられています。登録番号を持つ業者かどうかは、発注側が最初に確認すべき最低条件です。

出典:建設産業・不動産業:測量業者登録制度とは|国土交通省

次に、案件の性格に応じて以下の点を確認しましょう。

  • 測量士(国家資格者)が在籍しているか
  • 国土地理院の「作業規程の準則」に準拠した公共測量の実績があるか
  • ドローン測量を行う場合、UAVを用いた公共測量マニュアルに沿った運用ができるか
  • 納品成果物(オルソ画像・点群データ・数値地形図など)が自社の用途と合っているか

広域の地形図作成なら有人機対応の大手、現場の出来形管理や小規模測量ならドローン専門会社、といったように、案件規模と目的で候補を絞ると比較がしやすくなります。

ドローンを活用した航空写真測量について

有人機が主流だった航空写真測量は、ドローンの普及によって現場担当者が自社で完結できる業務へと変わりつつあります。

ここでは、導入を検討している方に向けて、メリットから必要な機材の要件、注意点まで説明します。

ドローン活用のメリット

有人機と比べた際の最大の違いは、機動性とコストです。

ヘリコプターや固定翼機では進入が難しい狭小地や急傾斜地でも、ドローンなら低空・低速で柔軟に対応できます。

撮影高度が低いぶん地上解像度も上がり、数センチ単位の精細な画像を取得しやすい点も魅力です。

コスト面でも、有人機のチャーター費用と比べると運用コストは大幅に抑えられます。

機体・カメラ・処理ソフトを揃えれば内製化も現実的で、外注費も削減できます。

ドローン活用のメリット

基本的なフライトやラップは飛行機と同じ

ドローンで撮影する際にも、既に解説したオーバーラップやサイドラップは必要です。そのため、飛行コースもUターンを繰り返しながら撮影していきます。

ドローンの解析(SfMソフト等による自動処理)では、 より多くの角度からの重複が必要となるため、 条件によって異なりますが、基本的にはオーバーラップ85%以上、サイドラップは75%以上必要です。

また安定した解析を行うため、撮影コースは3コース以上、1コース当たり4枚以上の画像が必要です。

上記の画像の条件で撮影すると、青線で囲まれた緑色の範囲がオルソ画像を作成できる範囲です。

ドローンによる高度別の撮影範囲

飛行機では、数千メートルもの高度から撮影が可能ですが、ドローンでは原則150m(許可なしで飛べる限界) が最高高度となっています。

そこで、現在最もポピュラーな測量用ドローンである「Mavic 3 Enterprise(Mavic 3E)」のスペックで、高度50mと150mでの撮影範囲を計算してみました。 

【Mavic 3 Enterprise(Mavic 3E)のカメラスペック】 

  • センサーサイズ(4/3型):水平17.3mm×垂直13.0mm 
  • レンズ焦点距離:12.3mm(35mm判換算24mm相当)

【撮影範囲の計算式】

  • 垂直撮影範囲 (m) = 高度 (m) ×センサー垂直サイズ (mm) /レンズ焦点距離 (mm)
  • 水平撮影範囲 (m) = 高度 (m) ×センサー水平サイズ (mm) /レンズ焦点距離 (mm)

【高度50mでの撮影範囲の計算】

  • 垂直撮影範囲 (m) =50m×13.3mm/12.3mm=52.8m
  • 水平撮影範囲 (m) =50m×17.3mm/12.3mm=70.3m

52.8m ×70.3m=3,712㎡=0.0037平方キロメートル

【高度150mでの撮影範囲の計算】

  • 垂直撮影範囲 (m) =150m×13.0mm/12.3mm=158.5m
  • 水平撮影範囲 (m) =150m×17.3mm/12.3mm=211.0m

158.5m ×211.0m=33,443㎡=0.0334平方キロメートル

このように、同じドローンでも高度50mよりも150mのほうが、撮影範囲は広くなります。

ですが、ドローンの場合は最高高度が150mなので、撮影範囲は211.0m×158.5mが限界です。

もっと高い高度から撮影のできる飛行機での撮影のほうが、より広範囲をカバーできるのはこういうことです。ちなみに計算にはドローンの性能というよりも、Phantom4 Proに搭載されているカメラのスペックが重要となっています。

逆に工事現場や採掘場など、狭い範囲で空中写真を撮影する場合は、ドローン撮影のほうが向いているといえます。

測量用カメラとアプリの選定要件

測量用途では画素数だけでなく、センサーサイズとレンズ歪み補正データ(カメラキャリブレーション)の取得が求められます。

公共測量での主な要件と、自動航行・画像処理で使われる主要ソフトをまとめました。

区分

要件・主な選択肢

カメラ画素数

2000万画素以上が目安。センサーサイズは1インチ以上が望ましい

キャリブレーション

正確な幾何学的補正のため、レンズ歪み補正データの事前取得・検証が公共測量では必須

自動航行アプリ

DJI FlightHub、Litchi など。飛行計画の保存・再現が可能なもの

画像処理ソフト

Agisoft Metashape、Pix4Dmapper などのフォトグラメトリ(SfM) ソフト

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ドローンでの航空写真測量の注意点

飛行ルートに樹木などの障害物がある場合は、安全を担保するため、できるだけ障害物に近づく機会を減らすコース選定が大切です。

この場合、障害物の付近を通過(接近)する「回数」をできるだけ減らすコース選定が推奨されます。 

次の画像のように、障害物を何度も横切るように飛ぶ(接近回数2回)左側のコースよりも、障害物の側を並行して長く飛ぶ(接近回数1回)右側のコースでは、接近にともなうリスク機会を抑えられる右側のコースのほうが、安全管理上推奨されます。

航空写真をもとにしたオルソ画像の作成方法


出典:国土地理院 オルソ画像について

オルソ画像は、オーバーラップ60%・サイドラップ30%で撮影された複数枚の写真を基に、傾きや歪みを正射変換して結合(モザイク処理)することで作成します。撮影した写真を正射変換するには、空中写真上の位置と地上の水平位置・垂直位置を精密に対応させることが重要です。

正射変換には、3次元の数値標高モデル(標高データ)を用いて変換します。

航空レーザー測量データや空中写真を用いた、自動標高抽出技術などにより正射変換に用いる数値標高モデルを作成。撮影した写真1枚ごとにそれぞれ正射変換を施して、正射変換された写真をつなぎ合わせることでオルソ画像を作成しています。

標定点の設置

出典:国土地理院 オルソ画像について

オルソ画像に正確な正確な地理的座標 (水平位置と高さ)を与える方法として、空中写真上で明瞭に確認できる個所に水平位置と高さの基準となる、標定点を設置します。

空中写真上で明瞭に確認できる個所とは、マンホールや構造物の角などのこと。設置後にTS測量またはGNSS (GPS)測量で、標定点の座標(X・Y・Z)を取得しておきます。

数値標高モデルの作成

出典:国土地理院 オルソ画像について

精密なオルソ画像を作成するには、高い精度の計測が必要です。

専用の画像処理装置(またはSfM解析ソフト)に 、空中写真撮影した各写真とGNSS/IMU装置で計測した、各空中写真の外部標定要素、水平位置と高さの基準となる地上測量で取得した、標定点の座標データなど、各種データを取り込み、撮影区域全体に統合して同時調整を行います。

同時調整が完了したら、写真測量による空中写真の立体視による図化や、重なりあう空中写真に写った情報を比較して、画像上の位置から地物の標高を自動的に計算して、画像上の各地点の標高値を計測します。

これらの計測点のうち、隣り合う計測点3点をむすんで三角形「TIN(Triangulated Irregular Network)」を作成し、標高を表した数値標高モデルを作成します。

図化作業は専門的なオペレーターでないと行うことができない

先の正射変換した写真を図化にて行う同時調整は、写真に写る地物へ座標値を与える作業です。

まず、立体視と呼んでいるステレオ写真を立体的に見る必要があり、立体視を取得するまでに、かなり時間を要します。

時間をかけても人によっては、立体視ができない人もいますし「逆視」と呼ばれる、高さが逆に見える人もいます。

この図化がうまくできなければ、精度の高いオルソ画像が作れません。

TINの作成は、図化作業でいうブレークラインが取得できれば、自動で発生させることができます。もしも、ブレークラインがきちんと取得できていないと、高さがねじれたり、おかしな面ができたりして、ブレークラインの取得をやり直す必要があります。

ですから、図化作業は経験を積んだ専門的なオペレーターでないと、行うことができない作業なのです。

スカイマティクスが提案する「Autel Explorer」

スカイマティクスが提案する「Autel Explorer」は、これまで専門知識が必要だったドローンで行う航空写真測量のフライトプラン策定を大幅に簡素化します。

具体的な機能について紹介します。

撮影領域設定

「プロジェクトを作成する」ボタンを押した後に、画像のように、撮影領域を設定すると撮影コースが自動的に表示されます。

飛行機での撮影のようにフライトプランを自分で考えなくても、自動でコースを表示してくれるので、ラクです。

コース基本設定)撮影高度を設定

撮影高度を設定すると、自動で解像度も設定されます。するとコース間隔も自動で設定されます。必要とする地上解像度から高度を計算し、コース間隔を計算するなど、面倒な計算は一切不要。

視覚的に操作が行えるので、誰でも利用可能です。

詳細設定1)オーバーラップ&サイドラップ

オーバーラップを85%に設定します。設定方法も、画面上のゲージを動かすだけで完了する、カンタン操作で行えます。

サイドラップも同様に、画面上のゲージで設定できます。ここでは、75%に設定しています。

詳細設定2)コースアングルを設定

コースアングルとは、コース上にある障害物への接近回数が最も少なくなるように、コースの角度を変更して、最も安全なコースを決定する作業です。

画面上のゲージを動かして、障害物への接近回数が最も少なくなる角度を選びます。

詳細設定3)ジンバルピッチを設定

ジンバルピッチは、シンバルに装着されているカメラのアングルを決定する作業です。

通常のオーバーラップ(-90度)と、斜めに撮影する角度を設定できます。

カメラ設定 ピント、明るさを設定

カメラ設定では、実際の画像を見ながらピントや明るさの設定を行います。せっかくフライとしても、撮影した空中写真がピンボケでは使えませんからね。

自動飛行

画面右にある「フライトマーク」をタップします。

  • バッテリー
  • 方位磁針
  • 画像伝送
  • ミッション終了後の動作設定
  • SDカード
  • IMU
  • GPS
  • 電波ロスト時のミッション

これらの項目を、自動チェックに入れます。

自動チェックが完了して、オールグリーン状態で「FLY」をタップすると、自動飛行を開始して撮影がスタートします。

「くみき」なら、ドローンで撮影した空中写真を自動でオルソ化が可能

「Autel Explorer」では、とてもカンタンにドローンで空中写真を撮影できます。

さらに、撮影した空中写真も、スカイマティクスが提供する空間統合プラットフォームの「くみき」を利用すれば、標定作業をしなくても、経験を積んだ専門的なオペレーターがいなくても、自動的にオルソ画像を作成してくれます。

オルソ画像を作成するには、熟練したオペレーターによる処理が必要ですが、「くみき」ならそんな面倒は不要で、誰でもカンタンにオルソ画像を作れます。

ドローンでの航空写真測量を行うなら、最新技術満載のスカイマティクスのサービスを利用することをおすすめします。

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