こんな課題ありませんか
- 出来形管理の帳票作成に追われ、休日返上で書類をまとめている
- 3次元出来形管理と ICT出来形管理の違い、要領・基準の確認点がわからない
- 計測後の点群処理・設計データとの比較・共有に想像以上の手間がかかる
従来との違い・対象工種・国交省の要領・5つの実施手順・費用の考え方・実務課題を整理し、点群生成からレポート作成までを自動化する方法がわかります。

従来との違い・対象工種・国交省の要領・5つの実施手順・費用の考え方・実務課題を整理し、点群生成からレポート作成までを自動化する方法がわかります。
出来形管理の書類作成に追われ、休日返上で帳票をまとめている施工管理者の方も多いのではないでしょうか。
ICT出来形管理を導入すれば、計測から帳票作成までの流れが変わります。この記事では、その仕組みや3次元出来形管理との関係、導入のメリットや経済的効果をわかりやすく解説します。

ICT出来形管理と聞くと、ドローンで測量する作業だけをイメージする方が多いかもしれません。
実際には、計測したデータを処理し、設計値と比較して評価し、最終的に管理帳票や成果品としてまとめるところまでの一連の業務を指します。
ICT出来形管理と3次元出来形管理は、実務ではほぼ同じ意味で使われることが多い言葉です。
どちらもドローン(UAV)やレーザースキャナーで取得した点群データをもとに、出来形の高さや幅を面的に把握し、設計データと比較評価する管理手法を指します。
国土交通省の要領でも「3次元計測技術を用いた出来形管理」という表現が使われており、これがICT出来形管理の正式な呼び方に近いと考えてよいでしょう。
ただし文脈によって、使われ方に若干の違いがあります。
用語 | 主な使われ方 | ニュアンス |
|---|---|---|
ICT出来形管理 | ICT施工全体の文脈で使われる | 建機の自動制御や施工プロセス全体との連続性を意識した表現 |
3次元出来形管理 | 国土交通省の要領・基準で使われる | 点群データを用いた計測・差分評価などの技術面・規格値を指す、より公式な表現 |
つまり、現場で「ICT出来形管理をやる」と言えば、実質的には3次元出来形管理要領に沿った作業を行うことを意味していると捉えて差し支えありません。
ただし厳密には、3次元計測技術に加えて施工履歴データを活用した管理手法も含むため、現場の工種や所有機材に応じた柔軟な手法の選択が可能です。
ICT出来形管理には、従来の丁張りや巻き尺による計測にはない利点がいくつかあります。
ただし、すべての工種や現場条件で同じ効果が得られるとは限りません。地形の複雑さや点群データの処理体制によって、実際の省力化の度合いは変わってくる点は押さえておく必要があります。
それでも、面的な計測による情報量の多さと、現場作業の負担軽減という方向性は、多くの土木工事現場に共通するメリットといえるでしょう。
初期投資に対する省力化効果を考慮しても、中長期的に見て価値の高いアプローチといえます。
ICT出来形管理と従来の出来形管理は、計測方法から成果物のまとめ方まで大きく異なります。
従来の出来形管理は、巻尺やレベルを使って測点ごとに手作業で計測し、その数値を野帳に記入して帳票化する方法が中心でした。測点は数メートル間隔で選ぶことが多く、点と点の間の状態までは把握しきれません。
一方で、ICT出来形管理はUAVやレーザースキャナー等による3次元計測で「面的」にデータを取得するため、現場全体の形状データが一元的に手に入ります。
比較項目 | 従来の出来形管理 | ICT出来形管理 |
|---|---|---|
計測方法 | 巻尺・レベル・トータルステーションによる測点計測 | UAV・レーザースキャナー・スマホLiDAR等による3次元計測 |
管理範囲 | 数メートル間隔の測点のみ | 面的な点群データで全体を網羅 |
使用データ | 単点の数値データ | 点群データ・3次元モデル |
評価方法 | 設計値との差を個別に照合 | 設計データと点群をソフトウェア上で自動で比較 |
成果物 | 手書き・手入力の出来形管理帳票 | ソフトウェアが自動生成する電子成果品 |
計測から評価、帳票作成までを一気通貫でデータ化できる点が、ICT出来形管理の実務上の強みです。人手をかけていた計測や集計、転記の負担が減れば、現場監督は他の管理業務に時間を割けるようになり、より本質的な業務にリソースを集中することができます。
さらに手入力によるヒューマンエラーや転記ミスも排除されるため、検査時の信頼性も高まります。
ICT出来形管理は、すべての工種で一律に同じやり方をするわけではありません。工種によって計測する対象や使う技術が変わってきます。
ここでは代表的な工種と、その管理内容や計測技術の組み合わせを整理してみましょう。
標準的な土工(切土・盛土)では、盛土や切土の広範囲の形状を効率的に面的に捉える必要があるため、UAV写真測量やUAVレーザー、レーザースキャナによる点群計測が主流です。
従来は数点の丈量ポイントだけを確認していましたが、面的な3次元データを取得することで、法面のわずかな凹凸まで把握できます。
舗装工では、路盤や表層の仕上がり厚みや平坦性が管理対象になり、トータルステーションやMC(マシンコントロール)建機のセンサーデータを組み合わせるケースが目立ちます。
工種 | 主な管理内容 | 使用する計測技術の例 |
|---|---|---|
土工(盛土・切土) | 法面形状、断面出来形 | UAV写真測量、レーザースキャナ、スマホLiDAR |
舗装工 | 厚み、平坦性、幅員 | トータルステーション、MC建機 |
浚渫工 | 水中の掘削形状 | 音響測深機、マルチビーム測量 |
工種ごとの詳しい管理基準や運用ルールは、国土交通省が公開する要領で細かく定められているので、実際の工事に適用する際はそちらを確認しておくと安心です。
出典:建設施工・建設機械:要領関係等(ICTの全面的な活用)|国土交通省
ICT出来形管理を現場で実施する前に、発注条件に合わせた国土交通省が定める各種要領・基準を事前に確認しておく必要があります。
工事ごとに適用条件が異なるため、着手前のチェックが手戻り防止につながります。
基本となるのは「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」です。土工をはじめとする各工種で、UAVやレーザースキャナーによる出来形管理を実施する際の手順や成果物の様式を定めています。
あわせて「施工履歴データを用いた出来形管理要領(案)」も整備されており、ICT建機の施工履歴データをそのまま出来形管理に活用する場合はこちらが適用されます。どちらの要領を使うかは、工種や計測手法によって変わるため、発注者との事前協議で確認しておきましょう。
要領は技術の進化に合わせて毎年改定が重ねられており、最新版の確認が必要です。地方整備局のサイトでは実施要領や手引きが随時更新されているので、工事着手前に最新の版を必ず参照してください。
出典:建設施工・建設機械:要領関係等(ICTの全面的な活用)|国土交通省
要領を確認するときは、次のような項目をチェックリスト化しておくと現場での運用がスムーズになります。
これらは工種や発注者によって細部が異なるため、詳細な数値は個別の要領で確認する必要があります。ただ、確認項目自体はあらかじめ把握しておくことで、現場での計測計画がぐっと立てやすくなります。
計測後の帳票作成や規格値との照合作業は、手作業だと時間がかかりがちです。
当社のサービスでは、取得した点群データから出来形管理に必要なレポートをワンクリックで自動生成できるため、要領に沿った成果物の作成負担を減らせます。

ICT出来形管理は、大きく分けて5つの工程で進みます。それぞれの工程で何をするのか、順を追って見ていきましょう。
計測に入る前の準備段階で手戻りの大半は防げます。計測に入る前の設計データの精度と計画が品質の8割を決めると言っても過言ではありません。
国土交通省の要領案でも、事前準備の精度が成果物の品質を左右すると位置づけられています。現場に入る前に、以下の項目を洗い出しておきましょう。
とくに発注者協議は後回しにしがちですが、地域や発注者によって求める帳票様式が違うケースもあるので、早めに済ませておくと安心です。
出典:3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)|国土交通省
計測機器は現場条件によって向き不向きがはっきり分かれます。
広い開けた土工現場ならUAVが効率的ですし、樹木が茂った斜面や構造物の陰になる箇所はレーザースキャナーのほうが精度を出しやすいです。狭小地や局所的な計測にはTS・GNSSが向いています。
機器 | 向いている現場 | 注意点 |
|---|---|---|
UAV(ドローン) | 広範囲の土工、切土・盛土法面 | 強風時は精度低下、GPS電波の遮蔽に弱い。写真測量は安価だが、樹木下の撮影不可範囲には弱い。レーザー測量は樹木透過性に優れる。 |
レーザースキャナー | 樹木や構造物の陰、狭い法面、高精度が必要な法面 | 死角ができやすく複数地点からの計測と合成(データ統合)が必要 |
TS・GNSS | 局所的な測点、狭小地 | 精度は極めて高いが、面的な計測には時間がかかる |
スマホ/iPad LiDAR | 小規模土工、構造物周辺、日常進捗管理 | 機材コストが極めて安価で手軽。広範囲の長距離計測には不向き。 |
従来は現場に何度も足を運んで計測点を拾っていた作業を、UAVによる一括計測に置き換えることで大幅な省力化が可能です。
現場で取得した生データは、そのままでは使えません。以下の順序で処理を進めます。
この段階でノイズ除去や位置補正が甘いと、次の比較評価の結果が信頼できなくなります。地味な作業ですが、精度を左右する重要な工程です。
また近年では、AIを活用した点群自動分類(クラシフィケーション)技術が登場しており、手作業で行っていたノイズ除去の時間を大幅に削減できるようになってきています。
点群が整ったら、設計データと重ね合わせて差分を確認します。設計面と計測点群の距離を色分けして可視化すると、規格値を超えている箇所が一目でわかります。この差分確認が出来形評価の中心的な作業です。
ここで注意したいのは、土量算出と出来形評価は目的が異なる点です。
土量算出は掘削・盛土の体積を求める計算ですが、出来形評価はあくまで設計形状に対する寸法・形状の適合を確認する作業です。同じ点群データを使っても、見るべき指標がまったく違うことを押さえておきましょう。
評価が終わったら、発注者に提出する成果物をまとめます。代表的なものは次のとおりです。
必要な書類は発注者や工事の条件によって細かく異なります。事前協議の段階で様式や提出範囲を確認しておきましょう。
ICT出来形管理の導入を検討すると、必ず気になるのが費用です。
機器やソフトの価格は幅が広く、案件数や社内体制によって最適な選び方も変わるため、まずは費用項目を分けて考えることから始めましょう。また導入コストのみにとらわれず、立ち会い時間削減や修正工事の防止といった手戻りリスク削減効果を含めた、総合的な費用対効果で考えることが重要です。
ICT出来形管理にかかる費用は、5つの項目に分けて考えると整理しやすくなります。UAV(ドローン)本体やレーザースキャナーの購入費、点群処理ソフトのライセンス料、現場ごとの計測・解析にかかる作業費、社内担当者の教育費用、そして自社対応が難しい工程を外部委託する費用です。それぞれの単価は機体の性能やソフトの機能範囲、案件の規模によって大きく変わります。
費用項目 | 主な内容 | コスト最適化のアプローチ |
|---|---|---|
機器 | UAV本体、レーザースキャナー、GNSS受信機、高スペックPCなど | 小規模現場はスマホLiDARやレンタルを駆使し初期投資を抑制 |
ソフトウェア | 点群処理・3次元設計データ作成ソフトのライセンス料 | クラウド型SaaSを採用し、サブスクリプションで固定費化を防ぐ |
データ作成 | 現地計測・点群処理・帳票作成にかかる作業工数 | AI自動処理ツールを活用し、データ合成・解析オペレーターの作業手間を削減 |
人材育成 | 操作研修、解析スキル習得のための教育費 | 直感的に操作できるクラウド基盤を導入し教育コストを最小化 |
外注 | 計測・解析・成果物作成を委託する場合の費用 | 難度の高い大規模現場のみ外注し、日常管理は内製化運用 |
見積もりを取る際は、この5項目のうちどこまでを自社で担い、どこから外部に頼るのかをはっきりさせておくと、業者ごとの提案内容を比較しやすくなります。積算段階でも、機器の減価償却分を含めるか含めないかで数字の見え方が変わるため、社内で計算の前提をそろえておくことが大切です。
内製と外注のどちらが費用面で有利かは、案件数や社内体制によって変わります。
内製は初期投資が大きくなりやすい一方、案件をこなすほど1件あたりのコストは下がっていきます。外注は初期費用を抑えられますが、案件ごとに費用が発生するため、件数が増えると総額は積み上がっていきます。

比較項目 | 内製 | 外注 |
|---|---|---|
初期費用 | 機器・ソフト購入で高くなりやすい | 抑えやすい |
人材 | 育成に時間とコストがかかる | 自社人材への負担は少ない |
対応速度 | 現場の都合に合わせやすい | 委託先のスケジュール調整が必要 |
ノウハウ蓄積 | 社内に技術が残る | 委託先に依存しやすい |
年間の案件数が少ない会社は外注、継続的に案件を抱える会社は内製に寄せる、あるいは「起工測量は外注し、日常の進捗・出来形管理は自社でスマホやクラウドを使って行う」というハイブリッド判断が一般的です。
年間数件程度の施工であれば外注主体の運用が経済的ですが、継続的に工事を受注する企業であれば、「大規模な起工測量は外注」「日々の進捗・出来形管理はスマホLiDARやクラウドソフトで内製化」というハイブリッド運用が費用対効果に優れます。
ただし内製にする場合でも、点群処理や帳票作成を自動化できるツールを使えば、育成コストや作業時間を抑えられます。
当社のシステムでは、こうした処理の効率化によって生産性を最大9倍に高め、外注費を最大100%削減した実績もあります。費用を天秤にかける際は、単純な導入コストだけでなく、こうした運用後の効率化幅まで含めて比較することが大切です。
UAVやレーザースキャナーで計測すれば、それだけで出来形管理が完了すると考える現場担当者は少なくありませんが、実際には、計測後のデータ処理や関係者との共有にこそ手間がかかります。
ここでは導入前に知っておきたい実務上の壁を見ていきます。
UAVで撮影した写真やレーザースキャナーで取得したデータは、そのままでは出来形管理に使えません。写真測量であれば数百枚の画像から特徴点を抽出し、位置合わせをして点群データを生成する処理が必要です。この工程はパソコンの処理能力に左右され、範囲が広い盛土や切土の現場では数時間かかることもあります。
処理が終わっても、ノイズ除去や不要な点群の間引きといった調整が必要になります。草や重機が写り込んだ点群をそのまま使うと、設計値との比較で誤差が大きくなってしまうためです。
計測さえ終われば作業完了だと思っていた担当者ほど、このデータ処理の工程で時間を取られてしまいます。(※昨今はAIによる自動フィルタリング等の技術解決策も広がりつつあります)
点群データが完成しても、それを設計データと重ね合わせて差分を確認し、土量を算出する工程には専門知識が求められます。座標系(平面直角座標系や標高系)の設定を誤ると、実際の出来形と数値がずれてしまい、施工管理基準を満たしているかどうかの判断自体が狂いかねません。
国土交通省の要領では、出来形管理基準に照らして規格値内に収まっているかを確認する必要があります。この確認作業をソフト任せにできず、担当者自身が数値の妥当性を判断できるだけの知識を持つ必要があるのです。
切土や盛土の計測であれば、当社のサービスなら数秒で完了する部分もありますが、その後の比較や土量算出の解釈は現場の判断が欠かせません。
出典:3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)|国土交通省
点群データは1つの現場でも数ギガバイトになることが珍しくなく、メールでの送付や一般的なファイル共有サービスでは扱いきれない場合があります。
現場と本社、発注者の三者間でやり取りする際には、以下のような課題が生じやすいです。
裏を返せば、共有の仕組みを整えなければ、せっかくのデータも現場に眠ったままになってしまうということです。計測、処理、比較、共有という一連の工程すべてを自社だけで安定して回すのは、想像以上に負担が大きい作業といえます。
ここまで見てきた計測後のデータ処理や比較作業の手間は、専用サービスを使うことで大きく軽減できます。
ここでは、空間データ統合プラットフォーム「くみき」がどう役立つのかを紹介します。
くみきのドローン測量機能では、ドローンで撮影した空撮画像をアップロードするだけで点群データやオルソ画像などの地形データを自動生成できます。
撮影後の写真をアップロードするだけで処理が進むため、専用ソフトの操作に慣れていない現場担当者でも扱いやすい設計になっています。
生成した点群データは、施工前後の地形を重ね合わせて比較したり、切土・盛土の土量を算出したりさまざまな用途に活用できます。
さらに3次元データはクラウド上に保存されるため、事務所と現場、あるいは元請けと協力会社の間でも同じデータをブラウザ上で確認・共有できます。データを都度メールで送る、USBでやり取りするといった手間がかかりません。
加えて、くみきでは計測結果をもとにしたレポートをワンクリックで自動生成できます。出来形帳票の作成に時間を割かれてきた現場では、この機能だけでも作業負担の軽減を実感しやすい部分です。
前章で挙げた「計測後のデータ処理・比較・共有に手間がかかる」という課題は、次のように整理できます。
実務上の課題 | くみきで支援できること |
|---|---|
点群・オルソ画像の作成に専門知識が必要 | 空撮画像をアップロードするだけで自動生成 |
施工前後の地形比較や土量算出に時間がかかる | クラウド上で地形比較・土量算出を実行できる |
関係者間でのデータ共有や帳票作成に手間がかかる | 3次元データの共有とレポートの自動生成に対応 |
ただし、くみき単体で出来形管理のすべての工程が完結するわけではありません。国交省要領に沿った出来形帳票の様式対応や検査書類の作成など、案件ごとに求められる要件を満たすには、パートナー企業のサービスと連携する形での運用が基本になります。
自社の工種や体制に合わせて、どの部分をくみきで効率化し、どの部分を連携先サービスに任せるかなど、丁寧にご案内いたしますので、まずは気軽にお問い合わせください。