こんな課題ありませんか
- 写真測量の原理や種類を、レーザー測量との違いも含めて説明できない
- 撮影計画からデータ処理まで、何をどの順番で進めればよいかわからない
- 自社の現場で必要な精度が出るのか、導入の判断材料が足りない
前方交会と SfM の原理、成果物の種類、撮影計画から成果物活用までの4ステップ、精度を左右する要素を整理し、現場での使いどころと導入判断の目安がわかります。

前方交会と SfM の原理、成果物の種類、撮影計画から成果物活用までの4ステップ、精度を左右する要素を整理し、現場での使いどころと導入判断の目安がわかります。
建設や測量の現場で注目されている写真測量は、従来の手法に比べて効率化が期待される一方、仕組みや精度、導入方法に不安を感じる方も多い分野です。
この記事では、写真測量の仕組みや特徴、具体的な活用シーンを取り上げながら、現場での具体的な使いどころを解説していきます。
写真測量とは、異なる位置から撮影された複数の写真を利用し、被写体の形状や位置を三次元データとして生成する測量手法です。
航空機やドローンで撮影した画像をもとに、オルソ画像・点群データ・3Dモデルといった成果物を作れるのが特徴です。
かつては大型の航空機を用いた大規模な地図製作が主目的でしたが、近年のドローンの普及と画像解析技術の進化により、現在では建設現場の土量計算やインフラ点検、災害調査など、より身近な実務で欠かせない技術となりました。

写真測量の基本原理はレンズの中心、写真上の点、そして実世界の点が一直線上に並ぶ「共線条件」を利用した「前方交会」です。
視点の異なる2枚以上の写真に同じ地物(特徴点)が写っていれば、三角測量と同じ考え方でその三次元座標を導き出せます。
人間が両目で距離を感じ取るのと同じ仕組み、と考えるとわかりやすいですよね。左右の目(=2枚の写真)それぞれで見た角度の差(視差)から、対象までの距離を逆算します。
出典:高分解能衛星データによる地形図作成手法に関する調査研究|国土地理院
実際の処理では、SfM(Structure from Motion)と呼ばれるアルゴリズムが多数の写真から共通の特徴点を自動検出し、カメラの内部パラメーター(レンズの歪み等)と撮影位置・姿勢を同時に推定しながら三次元点群を生成します。
ドローンやUAVで撮影した空撮写真にも同じ原理が適用されるため、広大な現場でも短時間でデータを取得できます。
写真測量から得られる主な成果物をまとめました。
現場の状況や目的に合わせて、どのデータが必要かを確認しておくと、計画段階での手戻りを防げるでしょう。
成果物 | 概要 | 主な用途 |
|---|---|---|
三次元点群データ | 地表・構造物を三次元座標の集合で表現したデータ | 土量計算・3Dモデル作成 |
オルソ画像(オルソフォト) | 傾きや歪みを補正した、真上からの平面画像 | 平面図作成・面積計測 |
DSM(数値表層モデル) | 建物・樹木を含む地表面の標高データ | 土工管理・盛切土計測 |
DEM/DTM(数値地形モデル) | 地表面のみの標高データ(植生・建物を除去) | 土量計算・地形解析・設計 |
3Dメッシュモデル | 点群をポリゴンで結合した立体モデル | 構造物の可視化・検査 |
出典:UAVによる空撮写真を用いた三次元モデリングソフトウェアの精度検証|国土地理院
これらのデータはソフトウェアによる自動処理で生成されるため、現場での手作業をほとんど必要としません。
盛土・切土の計測や出来形管理など、従来なら多くの人手を要した業務も、取得したデータから短時間で完結させられます。
特にDEMを用いた土量計算は、従来なら数日要した業務も、取得したデータから短時間で完結します。
写真測量は撮影手段によって、UAV(ドローン)・航空機・地上カメラの3種類に分けられます。
現場の規模や計測対象に応じて使い分けるものであり、「ドローン=写真測量のすべて」ではありません。
種類 | 撮影手段 | 適した規模 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
UAV写真測量 | ドローン | 数ha〜数10ha | 土木工事・インフラ点検・防災 |
航空写真測量 | 固定翼機・ヘリコプター | 数10km²以上 | 広域地形図・土地利用調査 |
地上写真測量 | 地上設置カメラ | 構造物・小区画 | 法面・橋梁・文化財の計測 |
ドローンを使った空中写真測量で、機動性とコストパフォーマンスの高さから、現在もっとも普及している手法です。
数ha〜数10haの現場に適しており、有人航空機では不可能な低高度・低速での撮影ができるため、高解像度なデータ取得が容易です。
現在では、土工現場や法面管理、インフラ点検など幅広い場面で使われています。
、国土交通省が推進する「i-Construction(ICT施工)」 においても、UAVを用いた公共測量のマニュアルが整備されており、公共工事の出来形管理における正式な測量手法として完全に定着しています。
点群データの処理から出来形計算まで一貫して管理できる、クラウド型空間データ統合プラットフォーム「くみき」は、ドローン測量との連携を前提に設計されています。
ドローンで撮影した膨大な連続写真から、三次元点群の生成、さらには出来形合否判定や土量計算までを一貫してクラウド上で完結。専門知識が必要な後処理工程でも、その処理を自動化することで現場調査・測量の工数を最大95%削減でき、、実務者の導入が進んでいます。
固定翼機やヘリコプターに大型の専用カメラを搭載して上空から撮影する手法で、高高度から撮影する手法です。
1フライトで数10km²〜数100km²という極めて広大な面積をカバーできるのが最大の特徴であり、
国土地理院による地形図整備や広域の土地利用調査など、行政・インフラ整備の分野で長く使われてきた方法です。
航空測量は、高性能なIMU(慣性計測装置)やGNSSを搭載しているため、広域においても安定した精度を確保できる強みがあります。
一方で、機材のチャーター費用や飛行許可申請といった運用コストと飛行準備の負担が大きく、数ha程度の工事現場では費用対効果が見合いません。
近年のドローンの普及と高性能化により、現場単位の計測はUAV写真測量へと完全に移行しています。
地上に設置した三脚や手持ちのカメラを使用して、対象物を複数の角度から撮影する手法です。ドローンでは死角となりやすい法面の下端、橋梁の床版下、建造物の垂直壁面など、上空からでは撮影しにくい対象に向いています。
被写体との距離を数メートルまで近づけて撮影できるため、数ミリ〜数センチ級の極めて高い解像度が得られやすく、コンクリートの微細なひび割れといった変状モニタリングや、精密な施工管理にも活用されています。
写真測量・地上測量・レーザー測量は、それぞれ計測のアプローチが根本的に異なります。
どの手法を選ぶかは、求める精度・現場の広さ・地表の露出状況・コストのバランスから双方的に判断する必要があります。
トータルステーションやGNSSを使った地上測量は、特定の1点ずつの座標を計測する「点計測」です。
ミリ単位の精度が求められる境界確定や基準点測量では、いまも地上測量が主役です。
対して写真測量は、画像から全体を捉える「面計測」です。面全体を一括して3次元データ化します。
1点ずつ計測する手間がないため、広範囲の地形把握や複雑な形状の土量計算では作業効率が大きく上がります。
ただし、写真測量の最終的な位置精度は、現場に設置する基準点(標定点)の精度に依存するため、実務では地上測量で高精度な骨組みを作り、その中を写真測量で「面」として埋めていく手法が一般的です。
LiDAR(ライダー)はレーザーパルスを照射して、反射して戻ってくるまでの時間から距離を直接計測する技術です。
写真測量との最大の違いは、樹木や草などの植生下にある地面まで計測できる点にあります。
森林地帯や斜面の植生が密な現場では、写真測量だけでは地表面データが得られないことがあり、そのような場面でLiDARが力を発揮します。レーザーは葉の隙間を縫って地面に届くため、伐採前でも高精度の地表面データ(DTM)を取得できます。
一方、写真測量はカメラ画像からテクスチャ情報(色や質感)も同時に取得できるため、現場のリアルな外観を含めた記録や確認が必要な場面に向いています。
また、機器コストでも写真測量のほうが低く抑えられます。
どちらかで代替するというより、「起工測量はLiDARで、日々の進捗管理は写真測量で」といったように、 互いの弱点を補う関係として捉えるのが実態に即しているといえるでしょう。
ここではドローンを用いた写真測量の流れを解説します。

測量の成否は、現場に行く前の「計画」で8割が決まると言っても過言ではありません。
撮影前に決めておく主な項目は、以下の通りです。
飛行高度が低いほど地上分解能(GSD)が上がり細かい計測が可能になりますが、1回の飛行でカバーできる面積が狭まります。
土木現場では高度50〜100m程度が多く、一般的には前後方向のオーバーラップ80%以上、左右方向のサイドラップ60%以上、隣接コース間(サイドラップ)60%以上を目安にコースを設計します。
一方、くみきでは、より安定した解析精度を確保するため、オーバーラップ率85%以上、サイドラップ率75%以上での撮影を推奨しています。撮影枚数は増えるものの、特徴点を十分に確保しやすくなるため、点群生成時の欠損や解析エラーを抑えやすくなります。特に法面や起伏の大きい地形、構造物が密集した現場では重要なポイントです。
対空標識は、後処理でGPS座標と写真を紐づけるために現地に設置するマーカーの役割を果たします。
配置数が不適切だと解析結果に「反り」や「ねじれ」が生じ精度が著しく低下する場合があります。落ちるため、国土地理院の作業規程の準則を参考に慎重に計画しましょう。
また、飛行禁止空域や目視外飛行の許可申請など、航空法の手続きも事前確認必須です。
出典:作業規程の準則について|国土地理院、無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール|国土交通省
計画したコースをもとに、専用アプリを用いてドローンを自動飛行させながら連続写真を撮影します。
機体はMatrice 4EやMavic 3 Eのような「メカニカルシャッター」と「RTK機能」を搭載した測量専用機がおすすめです。
RTK(リアルタイムキネマティック)機能を持つ機体なら、GCPなしでも高精度な座標情報を各写真に付与できます。標定点(GCP)の設置数を大幅に削減しつつ、安定した精度を確保可能です。
撮影時は直射日光が強い時間帯を避け、影が少ない曇天か薄曇りの天候を選ぶと画像の均一性が高まります。
シャッタースピードは機体ブレを抑えるため1/1000秒以上を目安にしてください。
撮影後は写真の枚数・オーバーラップ率・ピンぼけの有無を現地でざっと確認してから撤収するのが無難です。
くみきが推奨するドローンは以下からご確認ください。
撮影した写真はSfM(Structure from Motion)というアルゴリズムで処理します。
SfMとは、複数の視点から撮影した画像の特徴点を自動照合し、カメラの位置関係と被写体の3次元形状を同時に復元する技術です。
前章で触れたとおり、この処理によって点群データとオルソ画像が生成されます。
SfM処理ソフトはAgisoft MetashapeやPix4Dmapperが広く使われており、入力写真とGCP座標を与えると点群・オルソ・DSMを一括で出力できます。
処理時間は写真枚数とPCのスペックによりますが、数百枚程度なら数時間で完了するのが一般的です。
ただし高精度な出力を得るには数千枚の画像を処理するため、超高スペックなPC環境と、ソフトを使いこなす専門知識が求められます。一般的なPCでは、処理に一晩以上かかるケースも珍しくありません。
「くみき」のSfM機能は、専門知識や高性能なPCがなくても、ブラウザ上で画像をアップロードするだけで点群・オルソ・DSMを自動生成できます。


生成したオルソ画像・点群・DSMは、土量計算・出来形管理・進捗記録など幅広い用途に使えます。
国土交通省のICT活用工事(i-Construction)では、UAV空中写真測量で取得した3次元データを出来形管理に活用する要領が整備されており、公共工事での導入実績も増えています。
出典:ICT活用工事の手引き(無人航空機による出来形管理編)|国土交通省近畿地方整備局
こうした成果物の活用をさらに手軽にするのが、クラウド型空間データ統合プラットフォーム「くみき」です。
撮影データをクラウドにアップロードするだけで、 解析からレポートまでワンクリックで自動生成できるため、現場調査・測量の工数を最大95%削減できます。
外注に頼っていた集計・報告業務をそのまま内製化できる点も、導入コスト削減につながります。
写真測量の精度は「条件次第でcm級」と言われることが多いですが、実際には飛行高度やGCP(地上基準点)の設置状況、解析手法によって大きく変わります。
ドローン写真測量では、飛行高度50〜100m程度の条件下で適切なラップ率を確保し、GCPを正しく配置して撮影した場合、水平精度・標高精度ともに5cm±程度の精度が得られます。
これは公共工事の「出来形管理要領」の基準を満たす数字であり、実務上のスタンダードです。
国土地理院の「作業規程の準則」では、UAVを用いた公共測量について精度基準が定められており、位置精度0.05mの三次元点群作成も規定されています。
公共工事への成果提出を想定する場合は、この基準を満たす作業計画が求められます。
精度を最も大きく左右するのが、GCP(Ground Control Point:地上基準点)の設置状況です。
GCPとは実測座標を持つ地上の標識で、SfM処理の座標基準として機能します。国土地理院のマニュアルでは、標定点の精度は水平・標高ともに0.1m以内(標準偏差)が標準とされています。設置数が少なかったり配置が偏ったりすると、点群全体に系統的なズレが生じるため注意が必要です。
GCP以外では、飛行高度・オーバーラップ率・カメラ性能・気象条件も影響します。
飛行高度が低いほど地上解像度が上がり精度は向上しますが、撮影範囲が狭くなるトレードオフがあります。オーバーラップ率は前後80%・左右60%以上が目安で、これを下回ると点群に欠損や歪みが出やすくなります。
また、電子シャッター機を使用した場合の「ローリングシャッター歪み」も、精度を落とす大きな要因の一つです。
写真測量は幅広い現場で使われていますが、向いている用途とそうでない用途があります。ここでは活用シーン・向き不向き・コストをまとめて確認します。
ドローン写真測量が実際にどの現場で使われているか、代表的なシーンをまとめました。
活用シーン | 具体的な用途 | 主なメリット |
|---|---|---|
造成・土工工事 | 盛土・切土の土量算出、出来形管理 | 広範囲を短時間で計測でき、現場調査の工数を大幅に削減できる |
法面・斜面管理 | 変状のモニタリング、定期比較 | 人が立ち入りにくい箇所も安全かつ高精度に記録できる |
インフラ点検 | 橋梁・構造物の外観把握 | 近接困難な箇所も3Dデータとして残せる |
災害調査 | 土砂崩れ・崩落範囲の把握 | 2次災害のリスクのリスクを避け、危険地帯に立ち入らずに現況を取得できる |
広範囲の地形把握や土量計算など、「面」としてデータを取得したい現場では写真測量の強みが発揮されます。
ドローン1フライトで数ヘクタールをカバーでき、繰り返し計測による変化量の比較にも向いています。
一方、カメラの死角となる建物の内部・地下・樹木の密生地など、カメラの視線が届かない箇所は点群の密度が落ちやすく、精度に限界があります。
特に植生下では地表面が捉えられず、数10cmの誤差が容易に生じるため、そのような場面ではLiDARとの併用が必須です。
また、雨天・強風・夜間は飛行自体が制限されるため、天候に左右されない計測が求められる場合はLiDARや地上測量との組み合わせを検討するとよいでしょう。
外注する場合、写真測量(平地4ha・データ解析込み)の相場はおよそ50万円程度です。
測量用ドローン本体はエントリーモデルで20万円前後から購入できますが、高精度な計測に対応した機体はそれ以上になります。
自社導入を検討する場合は、機材・ソフト・オペレーター育成のトータルコストで判断することが大切です。
くみきでは機材選定から運用支援まで一括でサポートしており、測量工数の大幅削減や外注費の削減につながる導入プランをご提案しています。
ここまで見てきた通り、写真測量は撮影やデータ生成の効率化に優れていますが、実務では内製化や「データの活用」が手間になりがちです。
点群やオルソを作成できても、土量計算や報告書作成を別作業で行う必要があり、業務が分断されるケースも少なくありません。
こうした課題を解消するのが、空間データ統合プラットフォーム「くみき」です。
ドローンで撮影した写真をアップロードするだけで、点群やオルソ、3Dモデルを自動生成し、そのまま画面上で計測や解析まで行えます。複雑な設定は不要で、現場担当者でも扱える設計です。
くみきは、データ生成だけでなく「計測・解析・共有」までを一体化している点が特徴です。だからこそ、測量業務の属人化を防ぎながら、工数削減と品質向上の両立が実現できます。実際に、現場調査や測量の工数を最大95%削減した事例もあります。
写真測量を現場に定着させるには、取得したデータをどこまで活用できるかが重要です。
測量から報告までの流れを効率化したい場合は、まずはお気軽にお問い合わせください。
あなたの現場でどのように「くみき」が役立つか、詳しくご案内いたします。